2007年12月

2007年12月28日

■新町竹の花公園に八光山像

 20日に決裂した薬害肝炎問題は急展開を見せ23日、福田総理は党総裁として全員一律救済を宣言した。次いで議員立法で行うため与党肝炎PTが招集され、早速立法作業に入り本日弁護団との間で合意がなされた。あとは人道的見地に立って、民主党はじめ野党の皆さんの速やかな対応で会期内成立を望む。

 町村長官からは「あなたの努力のお陰だ」とお礼を言われ、伊吹幹事長からは「あなたの気持ちは共有するが情に流されすぎてはダメだ」と注意を受け、安倍前総理からは「本当に苦労をかけた」とねぎらいを受けた。

 確かにいつしか原告代表のような意気込みで終盤を迎えた事を振り返ると、政治家としてはやや冷静さにかけていた事は否めない。ただ一番長い時間原告、弁護団と接点を持ち続けてきた事もあり、一人ぐらいは未熟で荒削りな議員がいた事が良い結果になったとすれば、ご批判は甘んじて受けたい。いずれにしても国民の税を使わせていただく制度なので、評価は後の世論に委ねたい。

 患者の皆様が一日も早く元気になって社会の中で活躍いただく事を心から祈念する。

八光山2 さて、新町竹の花公園に隣接する永福稲荷神社境内に八光山権五郎の石造が建立され、奉納式典に参列した。八光山とは今から250年前江戸時代将軍九代家重の頃、寛延、宝暦の時代に活躍した八王子出身の名力士で、京都や大阪巡業に出る際には必ずこの神社に勝利祈願し好成績を挙げたそうだ。諸国に武州八王子の名を知らしめた功績はその人格の素晴らしさと共に後世まで伝えられ、以来、永福神社は勝負の神様と崇められ、毎年秋のしょうが祭りには紙の軍配うちわが配られる。

 私も選挙の度にご加護をいただいている縁ある神社で、市議会当時、市街地にある貴重で小さな公園をたまたま隣接地を買収する事ができ3倍の広さの公園にする事ができた。今では近隣が高層化されたこともあり小さな子供達も戻ってきて、昼間は多くの親子連れでにぎわっている。又、生まれた病院が新町の米山産婦人科である事、初めての市議選に備えた最初の事務所も町内に構えた事もあって、町会の皆さんは身内のように温かく迎えてくれる。建立にあたっては総代の飯塚さんが大変なご芳志をされ実現をしたそうで、式典では「新町生まれの政治家として勝負に勝ち続け、飯塚さんのひ孫やその後の人に八光山の隣に像を建ててもらえるよう、八王子の為、日本の為がんばる」と挨拶した。

八光山 竹の花公園は旧八王子町の玄関口に位置する由緒ある公園で古くは竹の鼻と呼んだそうだ。公園が拡大した時に植えた初夏のあじさい、秋のしょうがまつりと並び、今回の像の設置で受験生が祈願に来ていただければ冬もにぎやかになるかも知れない。

 いよいよ来年は勝負の年。八光山にあやかってなんとしても議席を守らなくてはならない。厳しい一年になるだろうが、公務をおろそかにする事なく故郷の為にも頑張る決意だ。

hagiuda1 at 15:34|Permalink

2007年12月21日

■佐世保事件と銃規制

内閣委員会1 薬害肝炎訴訟の和解案は残念ながら決裂してしまった。前日まで与党PT、又官邸とギリギリの折衝をし翌日の朝を迎えたが、政府は責任の範囲を区切り全員一律救済の政治決断ができなかった。200万人といわれるC型患者のうち何名が薬害か推計できない中での保障を心配する厚労省は2兆、3兆と金額を耳打ちし、官邸の判断を鈍らせた。党側は最後の役員連絡会で原告の提案どおり「追加提訴については薬害である事を自ら立証する」という事で事実上限界線が引かれ、その対象が「おおむね1000人」という原告案を尊重した。30億の基金というのはそれを根拠に算出した数字である事は理解できるが、弁護団の口座へ振り込み、後はそっちでやってくれでは何の金だか理解に苦しむ。責任はないけど金は払うでは、原告の皆さんが口止め料か手切れ金と怒るのも無理はない。あと一歩のところまできたのに私自身も無念でならない。帰郷前に挨拶に寄ってくれた原告の代表には力不足をお詫びした。幸い総理も最終結論ではなく、裁判所の追加提案に柔軟に対応する旨発表をされた。何年も裁判が続かないよう、年明けの仕切り直しを期待したい。

内閣委員会2 さて、内閣委員会では佐世保の銃乱射事件を受けて緊急の質疑が行われ、党を代表して質問に立った。今回の事件では容疑者が日頃から言動に不審が目立ち、近所の方からも事前に警察に通報があり銃の先台の提出を求めていたにもかかわらず、このような惨事につながってしまった。当局は法令、政令上の検査、点検には問題がなかったとの主張をするが、私はこの検査体制が充分機能していないのではないかと質した。通常、銃所持の許可を得るまでには様々な試験や研修が義務付けられ、医師の診断書の添付も求められる。ところがその後一年に一回の定期検査は所管署に許可書と銃を持って出向き、対応に出た警察官が許可書の通りかどうかの確認と保管場所の写真を見て3分〜5分程度で終わるそうだ。全国17万人、30万丁を検査する警察官が特別ライフルや散弾銃に精通している訳でもなく、心理セラピーのような精神カウンセリングができる訳でもない。同僚や部下の異変に気付かず、銃で自殺をする警官が増えている現状を考えても問題がある。私はこの際、銃や心理学等の専門職を養成するなり、委託するなりして逆に当局の負担を減らしチェック機能を高める事を求めた。又、銃砲も自宅保管は800発と規定があるがあくまで自己申告で、購入時には一定の制約をつけても実際には撃った、使ったといえばいくらでも備蓄できる事になる。この辺も一元的に管理して誰がいつ、どこで何発買って撃って、残りが何発かが把握できるシステムの構築も求めた。スポーツとして射撃をする方や、害獣駆除にご努力いただいている猟友会の皆さんの多くは真面目にしっかり管理している方々だが、こういう事件が後を絶たない限り一定の管理規制の強化はやむを得ないだろう。


hagiuda1 at 20:35|Permalink

2007年12月14日

■14年ぶり越年国会!?

 党税制調査会では平成20年度税制大綱をまとめた。国、地方合わせて約60億円の減税となる。特に地方格差の是正がテーマとなり、中小企業支援税制を拡充する策を講じ、最大の目玉は中小企業の事業承継の円滑化をはかる為、相続税の優遇制度の拡大をした。非上場株を相続する際に株の評価額の控除を現行の10%から80%に拡大し、承継事業を5年間継続すればこの優遇が受けられる。地元の皆さんにも大きなインセンティブを発揮する事ができると確信する。

 一方、東京に集中する法人税の偏在是正の為、今年に限り3000億を国を通じて地方へ移譲する事となった。この交渉ではまさに国と都のど真ん中に立つ事となり、官邸と知事室、党と都議会の間で汗をかき走り廻った。税制度全般から考えればきわめて歪んだ決着で、決して納得できるものではない。ただ、今回の対応はあくまで暫定的な政治決着であり、逆に官邸に様々な都市再生事業に対し直接協議ができる政策協議会を財務、総務、内閣府、国交を入れて行う事になった事は大きな成果となった。羽田空港の再拡張国際化、オリンピック招致、開かずの踏み切り対策、圏央道の延伸など元々不交付団体である都にとっては個別の対応が必要だったが、これでスピードを持って大きく前進する事となる。損して得とれの精神で今後の制度設計を進める。

 さて国会は参議院での審議が進まず重要法案が成立できない異常事態が続いている為、来年1月15日までの31日間、19年ぶりの再延長を決め、14年ぶりの越年国会となった。憲法の規定で衆議院通過後60日を経過して採決をしない場合は否決をしたものとみなし、衆議院へ戻し2/3で再可決する事ができる。ここは参議院の存在意義を示すためにもしっかりと議論で時間を使って欲しい。


hagiuda1 at 21:21|Permalink

2007年12月08日

■青嵐会再び?

 肝炎対策基本法を与党共同の議員立法で提出し、委員会では自ら答弁側にも座った。薬害肝炎問題に関与したことに起因するが、ここは裁判とは一線を引いて、国内最大のウィルス疾病である肝炎、とりわけC型、B型と対峙し、インターフェロン治療に特化して支援をし、患者数を減らす努力を示したものだ。一方今週にも和解案の骨子が示される予定だった大阪高裁では、提示を来週まで延ばして、ギリギリの調整が続いている。国の意向である東京地裁判決を基準にした薬の投与時期だけに範囲を限定し、国の責任を認めるということになれば、原告のうち3割が対象外となり、全員救済にはつながらない。複数のチャンネルで公式、非公式に和解案を打診しているが、私も官邸へ出向いた。安倍総理時代からの取り組みを話して、時期ではなく自己証明で対応してほしいと要請した。いよいよ最終局面。是非政治決断で決着してほしいと願う。厚生労働委員会


 さて、今週は中川昭一先生を会長とする勉強会の発会式があり、なぜかマスコミの注目が集まった。元々、安倍内閣の全否定は残念なので継続すべき事は続けていこうと数人で始まった会であり、特別、政局目的でも何でもない。一部では福田内閣へ批判的なグループとか、第3局を目指すとか書かれていたが、そんな大そうな会ではない。ただ今まで閣僚、党三役と忙しく主流で働いてきた中川先生が久しぶりに無役になって、少しは後輩の面倒を見ようとしたことと、最初は党内で細々と始めたのが、平沼先生に声をかけたことで憶測を呼んだようだ。いずれにしても安倍総理が掲げた「戦後レジュームからの脱却」は大切なテーマであり、一過性のものではいけないと思う。誇りある日本をめざし、一つ一つ解決したり、前進させたりできればと思う。
 「会の名前は当日」という思わせぶりもマスコミには※「青嵐会」の再結成か?と。実情は先輩方から複数の候補名があがり、決められなかっただけのこと。「慣れないことするからだよ!」と、皆から冷やかされた中川会長は照れ笑い。要は中身で勝負だ。政策研究会(ネオ青嵐会?)




※【青嵐会】
田中角栄政権時の昭和48年7月、中川一郎下農相、渡辺美智雄元副総理、石原慎太郎都知事ら1〜4回生議員約30人が結成した派閥横断型の勉強会。ハト派の田中、大平両派が政権中枢を占める中、タカ派色を前面に出し、日中国交正常化反対などを唱えた。
(H19.12.5 産経新聞より引用)





hagiuda1 at 10:18|Permalink

2007年12月01日

■党税調始動

 新人市議の結婚式があり、仲人も務めた。交際から10年、選挙の時には婚約者として内助の功を発揮していた新婦は私と同じ町内で、小学生の時、子供会の行事で私が遠足に連れて行った縁もあるそうだ。政治家の家庭は様々な困難もあるだろうが、力を合わせてがんばってほしいと願う。

 さて、党では税制調査会が始動し各部会が忙しく準備を重ねている。私は内閣部会長代理として内閣全般、厚生労働副部会長として医療と年金、文教調査会事務局次長として高等教育を中心に受け持つ。昨年は科学技術専任部会長として特化して取り組み一定の成果を上げられたが、今年は守備範囲も広く目が廻る毎日だ。一つ一つのテーマはそれぞれ有効な減税策や控除拡大だが、全体では税収減につながるので財務省も必死だ。いかに省益や業界のエゴにならないよう説得力ある説明が必要で、政治家としての感性が磨かれる。同じ内容でも同僚から拍手のあるものもあれば、ブーイングにかき消される事もある。お互い立場は理解しているが「そんな説明じゃぁ・・・」とダメ出しをされれば予算にも影響する。まずは順調な滑り出しをした。守屋前次官の逮捕、大臣の証人喚問等国会の混乱は収まらないが、平成20年度の国民生活に影響の内容に税収と予算だけはしっかりと仕上げていきたい。特に予算では都市部に集中する法人二税の地方への分配案が進んでいる。国税ではない地方税の性格や税体系を考えれば全くナンセンスな話だが、東京オリンピックを人質にとられた今年は中々打ち返しが出来ずに困っている。本則ではなく都が例外に負担をしている財政支出等をしっかりと示しながら、都の主張も怠りなく発言しなくては。

 オリンピック招致に向けての活動も活発化してきて、今週は台湾の訪日団を都庁へ案内したり、IOC委員を3名も擁するオーストラリア大使館での会食で協力を求めた。公使一同、シドニーでの我国の協力に謝意を示し、大賛成で本国へ具申を約束してくれた。その代わり「萩生田先生、鯨食べるのやめさせて下さい」という要求には「英語が分からない」とワインの一気飲みで笑いを得た。食文化の違いが外交では重要なテーマになる事もこれから度々経験するんだろう。


hagiuda1 at 07:38|Permalink