2008年05月

2008年05月31日

■議員立法も最終コーナー

 会期末を控え各省、各部会、各議員立法チームが法案成立に向け猛ダッシュでの作業を続けている。とりわけ内閣部会はその守備範囲が広い為、今週は「公務員制度改革法」の修正協議、法案可決、地域の安心・安全ボランティア活動の支援のための「地域生活安心・安全推進法」の与党合意、青少年をインターネット上での有害情報から守るフィルタリングの義務化に向けての「青少年有害情報閲覧防止法」の与野党協議と3階建てで会議が進み、自身の部屋の椅子に座るのは何分でもなかった。私だけでなく我党同志がそれぞれのポジションで同様の忙しさを受け持っており、改めてそのエネルギーには驚かされるが、残念ながらマスコミに映る政治の映像は政局がらみの料亭出入りシーンばかりで国民には中々伝わらない。

 氾濫する有害情報から子供達を守るための法整備については野党の皆さんとも基本的な問題意識や価値観は相違なく、次々に良い提案が交渉の場では交わされているが、各党とも後ろに控える別の力で最後の一歩が歩み寄れず交渉は断続的に続き、来週のタイムリミットに持ち越された。

 青少年特委では知恵を出し、法案なき参考人質疑を行う事とし、私も質問に立った。国の規制を強化するのではなく、できるだけ民間の業界や団体に自ら良い制度設計をして欲しいと思う一方、今までの取り組みは決して万全ではなかった点を指摘した。

 携帯電話会社もPCメーカーも我国の技術を駆使すれば、きめの細かい最高のフィルタリング機能を国民に提供できるんだろうと思う。国も民間まかせで手をこまねいていた事は否めない。今回の法制化で技術や開発を支援する事ができれば、世の中は数段変わると確信する。要はやるか、やらないかだ。

 質疑の中で「自分が成長に合わせて何台の自転車を買い換えてもらったか?」を例に、タイヤのインチも20から26へ段々と大きく、時にはウインカーが流行ったり、5段・10段とギアー付きの物へと変わっていったが、今、ネット社会における子供達は足の着かない大きな車輪に、正しい扱いのわからない25段ギアー付きの自転車で高速道路の中をふらふら走っているような状態、いつ事故があっても不思議はないと申し上げた。小学生には小学生、高校生には高校生に合ったフィルタリングが標準配備された携帯の必要性は誰もが望むところだ。

 未曾有のネット社会と向き合う私達は便利さと危険性を国民全てが承知し、その上で正しいルールの再構築をする為にも、公と民が一緒になって持てる力を発揮する必要が求められる。今回の法案は全てを目隠しにするものでなければ、国が公権力を使って規制を強化するものでもない。はじめの一歩だが、その為にも政党の枠を超え、成立に漕ぎつけたい。


hagiuda1 at 15:25|Permalink

2008年05月23日

■成田V.S羽田?

 安倍内閣時代にスタートしたアジアゲートウェイ構想に沿って、国土交通省は羽田空港における夜間・早朝での国際便3万回/年を打ち出した。そもそも羽田の第4滑走路整備後、約11万回増える離発着のうち3万回は国際線という既決の計画があるので新しい事ではないが、夜間という事になれば別枠で「3万+3万」という理解もできる。「11−3」なのか「11−3+3」なのか今のところあいまいな答弁をしているのは、成田側からの反発を最小限にしたい配慮であろう。

 成田空港は開港30年の節目を迎えた。我国の主要な国際空港として、その役割を果たしてきたが、首都との微妙な距離感や利便性に対し国内のみならず諸外国からも厳しい評価がある。

 ここ数年、「国際は成田、国内は羽田」という不文律に風穴を開けて、首都圏空港としての双方の役割が議論されはじめた。少なからず私の度重なる発言による責任も大きい。ただ私は「千葉VS東京」の議論をしているのではなく、アジアの中での国際競争を考えれば、成田と羽田でパイの取りっこをしている場合ではないと発言し続けている。

 7月には洞爺湖でサミットが行われるが、我国の国際会議の開催件数は最盛期の1/3以下になっている。世界の先進国の中で24時間ハブ空港を首都圏に持たないのは日本くらいだろう。時差のある世界の中で日本の時間と都合で離発着を制限していれば、やがてアジアの中でも取り残される。

 今年にはボーイング787が就航する。日本の科学技術が随所にちりばめられた最新鋭のハイテク飛行機で、カーボン素材の活用により、今までより30%の減量が可能になった。機体が軽いという事は同じ燃料でより長く、遠くへ飛べる事となる。今までとは異なりアジアで複数のトランジットなしで欧米、欧州へ飛ぶ事になれば、その拠点が夜間閉鎖をしている成田になる可能性は極めて低い。

 党内ではとかく東京への羨望が強いが4月から就航した羽田−香港線の乗客の44.2%は羽田から北海道、秋田、富山、小松等へ乗り換える客であり、目的地は東京ではない。地方の活性化の為にも成田、羽田が一体となって取り組む必要がある。羽田の国際線はペリメーター1947km以内というバカげた原則も、どうやら昔の話となりそうだ。33カ国7地域が乗り入れを希望している成田は、更に国際玄関としてのインセンティブを発揮すれば良いし、羽田はビジネス利用を主眼にその可能性を広げれば、首都圏空港としての機動力は高まる。ライフワークでもある横田の軍民共同が可能になれば、更に都市機能は強化されるだろう。ここは「千葉 対 東京」ではなく、日本のために力を合わせたい。


hagiuda1 at 19:49|Permalink

2008年05月17日

■福岡と手打ち

 中国四川省での大地震は連日被害の拡大が報道され、死者は2万人を超え推定5万人超という大惨事となった。被災者の皆様には心よりお見舞いを申し上げる。党役員連絡会でも刻々と被害状況が報告され、我国の対応や義援金の決定をした。

 残念なのは発生直後に招集した災害支援チームの受け入れが決まらず成田で足止めの後、一度解散してから再出発となった点で、生死の分岐点と言われる72時間前に入国できなかった事だ。新潟でも活躍した東京消防庁のハイパーレスキュー隊も加わり八王子署の方も招集されたようで現地での活躍と安全を祈りたい。

 それにしてもこれだけ被害が拡大した背景には、中国の建築事情のお粗末さがある。手抜き工事や違法建築など一応の耐震基準はあるようだが実態はひどく、小学校等は最も耐震対策の低い基準で作られているとの事。改めて国の姿勢を根本的に考える機会にしてくれるきっかけになればと願う。

 こんな時に触れるのは不謹慎とそしりを受けるかも知れないが、この惨状に照らして世田谷区より狭い当時の南京で30万人の人々が命を落とせばどんな事態となるか?今後の両国の友好の為にも、あり得ないという事を識者には感じてほしい。


 さて、今週は党のスポーツ立国調査会(麻生太郎会長)に石原都知事が講師として出席し、東京オリンピック招致の意義について講演を行った。

 前日から都議会の幹部と打ち合わせをし「とにかく失言をしないよう、ひたすら協力のお願いをして」と副知事や秘書達へも根回しをし、私は最前列に座る事に。そのかいあって始めは都庁の用意していたペーパーを読んでいたが、途中からは石原節に・・・。

 横にいた森会長や麻生会長は苦笑いをしながら私に目配せを送った。幸い大きな脱線もなく終了したが麻生会長は 「面白かったな〜、ちょっと物足りねえなあ」 と。

 週末にはかつてのライバル福岡県に出向き、日本招致に向け手打ち式 ”福岡−東京友情の夕べ” を開催し事務局長として出席した。

 中国との微妙な立ち位置をはかりながら6月4日のIOC一次決定、8月の北京オリンピック期間中の東京アピールと、対応が複雑となり文科省のみならず外務省との会合も増えてきた。自らの手で東京オリンピックの開催が出来るよう、また、良い勉強の機会と思い何でもやってみようと思う。


hagiuda1 at 17:58|Permalink

2008年05月09日

■パンダとギョーザ

 永田町は約10年ぶりに中国国家元首として訪日をした胡錦涛主席の警備の為、重々しい状況が続いている。右翼団体やチベット問題に抗議する人権団体、中国では認められない宗教団体等各所で警備との小競り合いが続く。

 上野動物園にはめでたく、つがいのパンダがレンタルされるようだが、チベットやウイグルをめぐる人権問題、未だ解決に至らない毒入ギョーザ、日本海での油田開発等、首脳会談で話題には触れたようだが、もう少し主張する外交姿勢を福田総理には示して欲しかったと物足りなさを感じた。

 歴代総理との朝食会では、安倍前総理がチベット問題への憂慮とウイグル自治区での活動家の拘束問題を直接質したが、一切自国の非を認めようとしない中国が柔軟に調査や検討を口にしたのは、北京五輪を控え他国との軋轢を避ける戦略的外交が背景にある事は否めない。アジアの仲間として平和の祭典である五輪が無事成功する事を願うと共に、五輪後もはっきり物を言える真の日中友好の時代が到来する事を期待したい。

 さて、今週は時の人となった上野動物園の小宮園長からお話を伺う機会を得た。実は八王子市民でもあり、本市の人材の豊かさに驚かされる。50周年を迎えた多摩動物園が最初の勤務地だった為、結婚後転入しもう30年以上も暮らしているとの事。パンダの取材であわただしい中だったが、国内家畜の保護について興味深いお話をいただいた。日本の馬も牛も豚も、長い年月と共に外国種と掛け合わせてできた雑種で、絶滅の危機にある国内種の保護も動物園では取り組んでいるそうだ。

 毒ギョーザに端を発した食の安全、小麦の高騰による麺類の値上げ等、改めて食料の国内自給率のあり方が問題視されている。40%を切る国内自給率ではひとたび外国からの輸入を止められたり高騰したりすれば、ただちに家計に与える影響も大きい事を今回の一連の事態で改めて感じた。

 あまり知られていないが、本市は都内最大の農作物の生産量を誇り、昨年の道の駅の開設時に直売を始めたところ、地場産野菜や自区内産食肉が人気を博している。幸いにして地べたはまだまだあるので、山間地等に公有農地を開発する事なども検討しているが、農業を継ぐ時代から勤める時代に変えていく事も必要だろう。八王子ならではの都市農業政策も最近ライフワークに加わった。


hagiuda1 at 18:36|Permalink

2008年05月02日

■みなし否決、再議決

 ガソリン税の暫定税率などを担保する歳入関連法案を衆議院で再議決し、出席議員の2/3の賛成多数で可決した。

 小麦粉、天ぷら油、乳製品といった生活必需品が値上がりする中で、せっかく下がったガソリン代が又元に戻る、あるいは3月より上がるという事態が家計に与える状況は厳しく「できる事なら」という思いはあったが、既に予算審議を終え新年度に入った全国の自治体の状況を考えると、やむを得ず決断した。

 代替財源のない2.6兆円を切り崩してガソリンが安くなったとしても、その穴を埋めなくては結果として自治体の事業が止まってしまい、大混乱が生じるのは必死だ。そのため民主党の議員も含めた47都道府県議会、全国の1800の市町村議会からも暫定税率の復活を求める意見書が国に提出されている。私が市議や都議の時代なら同じ要望をしただろう。万一、国債の追加発行という事態になればそのツケは又、子供や孫に先送りする事になる。

 厳しい選択だが、ぜひ皆様にはご理解をお願いしたい。

 他方、国民の皆様が腑に落ちないのは、国交省の地方整備事務所等でのマッサージチェアやユニホーム、職員旅行やタクシー代といった無駄遣いがあるのに、税だけはあたり前に徴収する政府の姿勢だろう。この事は私を含め党の仲間も怒り、あきれ、情けなくも感じている。特別会計のチェック体制の甘さは与党、野党いずれも反省し、透明性を高めた制度設計を急ぐ。国土交通省のみならず、多くの特別会計で大なり小なりムダがある事は否めない。これだけ国民に苦労をかけ不快感を与えた以上、行革の手は決して緩めてはいけない。

 さて、当日は残念な事に民主党が議長室前でピケをはり、議場への入室を阻止し、開会が大きく遅れた。
 体力に恵まれた私は、いわゆる乱闘時には逆にその場に行かないよう心がけてきたが、今回ばかりは副幹事長という立場で議長室の前へ行かなくてはならなかった。聞くに堪えない汚い野次や怒号の中、「議場で話し合おう」と呼びかけたが現場には民主の参議院も応援に駆けつけ、もみ合いになった。それなりの役目を果たしたが、参院に足を引っ張られ結局はズボンが破れる始末に。

 それだけ大騒ぎの末、議会が始まると誰も議場に入らないというのでは議員としての役割を放棄した事にもなろう。
 まだ大事な法案は29本も残っている。私たちの戦いの場は常に議場である事を信念に、来週からの審議が再開できる事を祈る。

破かれたズボン










(破かれたズボン)

hagiuda1 at 22:51|Permalink