2008年08月

2008年08月30日

■防災も文科省?

 八王子市では100mm/hを超えるゲリラ豪雨で、各地で甚大な被害が出た。京王線では土砂が線路に流れ出し車両脱線による不通が翌日まで続き、家屋の倒壊等、7ヶ所では勧告により避難所の設置もされた。一度は寝床へ入ったが、刻々と入る被害情報に市の災対本部や地元市議と連絡を取り合い、朝方まで作業に追われた。

 被害に合われた皆様にはお見舞いを申し上げる。

 翌朝からは省内で各地の被害報告を受けたが、担当局が気をきかせて八王子市内の小中学校だけを別にまとめて、落雷によりダメになったパソコンや水浸しの校舎の修復の為の支援策をアドバイスしてくれ、早速、市教委にも来てもらった。

 タイミング良く同日に開催された1都7県の党国会議員と国・地方の行政担当者による「首都圏整備委員会」では、山梨の皆さんが中央線の不通により欠席になった事態を受け、「都心へ向う旧国鉄5方面整備に遅れ、未だ複線なのは中央線だけ。JRが主体ではなく、国策としての首都圏整備の一環として中央線の複々線化の必要性を再検討すべき」と国交省と都に要請した。

 又、省内会議では「雲の動きや降雨量等、もう少し早く予測が出来ないのか?」が話題となり、現在の気象庁のスパコン「地球シュミレーター」と衛星を組み合わせても3.5kmマスまでしか測定できないものが、兵庫に建設中の次世代スーパーコンピューターが稼動すれば、400mマスの雲の動きや降雨予想がシュミレーションできるようになり、避難勧告や防災対策に役立つ事もレクを受けた。防災と言えば防災担当の内閣府や消防行政の総務省のように思えるが、もっと川上で力を発揮するのが科学技術であり、文科省の責任の重さを改めて感じた。

 政府は「安心実現のための緊急総合対策」の為の緊急総合経済対策として、総額11.5兆円の補正予算を決定した。赤字国債の発行は行わず、声の大きな業界や団体へバラマキをするかつての政策とは異なり、冷静に各省が安心安全の為に前倒しすべき事業を出し合った成果であり、我省は学校の耐震補強や建替えを提案した。中小企業資金繰り対策も大胆に、そして今までの貸付基準にとらわれない借り易いものにして資金を積む事とした。
 
 大雨や地震が来れば、危険と分かっていても財政事情で手が付けられない箇所が全国には山ほどある。せめて避難場所ともなる学校が潰れる事のないよう、早急に整備をする事が何故「バラマキ」とマスコミに揚げ足を取られるのか疑問だ。もちろん改革が後退しない事をチェックしながら、財政再建と景気対策、安全対策をバランス良く結果を出していきたい。

hagiuda1 at 16:05|Permalink

2008年08月22日

■科学技術でも日の丸を

勉強風景 政務官レクが続いている。幼稚園から身近な小中学校、高等学校教育を所管する初等中等教育局、大学・大学院教育を所管する高等教育局、様々な社会教育に及ぶ生涯学習政策局や科学技術、文化等々。それぞれ我国の今と将来にとって大切な分野であり、間違っても知ったかぶりなどする事なく一つ一つ丁寧に聞き、又、疑問点を質し、時には自分の方が現場を知っている事案にちょっぴり優越感を感じて皆を頷かせたりするが、多くは冷汗をかきながらメモを取る毎日だ。

 合間で様々な研修もあり、再生医療の切り札と言われ、ノーベル賞にも値するiPS細胞の発見で有名な、京都大学の山中伸弥教授の指導を受ける機会も得た。ヒトES細胞の研究は以前のブログでも触れたが、受精卵子から細胞をつくる為、倫理上の問題や副作用があり、中々実用化に進まなかったが、自身の皮膚から細胞を再生する為、これらの問題が解決に向かい急ピッチで研究が進んでいる。ところが2006年京都大学が論文発表した以降、海外7つの研究機関が同様の発表を行い、特許申請は嵐のような状況だ。知的財産の保護に長けている欧米に比較すると日本はやや後手に廻っているようだが、そういった支援体制を文科省として構築してほしいと要請を受けた。

 権利を手に海外の大学や企業に渡ればすぐに億万長者になれる山中先生は「日本発」にこだわり、医師として患者を助ける為に始まった研究で、お金が目的ではないと言ってくれる。

 ヒトゲノム研究の時も日本が先行していたが、気がつけば米国や独国の成果となった事を悔しがられ「オリンピックの選手と同じように学会で日の丸を掲げて発表したいじゃないですか」と目を細める。厳しい研究環境の中だが前向きにがんばるサムライを文科省としてしっかり応援したい。

hagiuda1 at 22:52|Permalink

2008年08月15日

■平和の祭典はじまる

 政務官としての初仕事でもある北京五輪へ向った。現地では対策本部を設置し、私も責任者の一人となった。詳細は後刻報告したいと思うが、羽田発のチャーター機でそれぞれのミッションの異なる超党派の国会、都議会に加え、石原知事を始めとする東京招致委員も同乗した。

 なにせ「石原慎太郎と行く北京」という世界一危険?なチャーター機だったが、機内ではここぞとばかりに政治談議に花が咲き、光栄にも知事は私の隣へ座り込んで最近の国政、都政の様々な話をしてくれた。「この時期に君が文科省へ行ってくれたと聞いて、最高だね」とお世辞を言ってくれた。「僭越ながら今後は私の部屋を司令塔にバンバン行きますよ」と応えた。

 開会式はテロ予告等のセキュリティの為、バス移動が途中で制限され地下鉄と徒歩に変更。入場までに何度も検査を受け、2時間以上かけ会場入り。しかも9万人を越えるスタジアムは40℃のサウナ状態。4時間に及ぶ式は見事なものだったが、中国ならではの人海戦術で真似はできそうにない。

 八王子市期待の中村美里選手の応援には東村都議と声をからして日の丸をふったが、日本からわざわざ作って持っていった「八王子の新星 がんばれ中村美里」と入っている国旗は、ナショナルフラッグではなく横断幕になるとの事で「ひろげるな!」と何度も委員会から注意を受け、「なぜ加油中国!はいいのか」と押し問答。ルールが徹底していないがトラブルになっても仕方ないので、表彰式まで我慢した。結果は堂々の銅メダル。まだ19歳を考えるとロンドン、東京といくらでも活躍の機会はあるだろう。同時に行われた男子66kg級では内柴選手が2大会連続の王座を射止め、日本の初金メダルに同席し、君が代の斉唱をする事ができた。その夜は美里選手の小・中時代の指導者がホテルに集まり祝杯をあげた。

 翌日はホテルのジャパンブースで北島の金メダルを会場の全員で讃えた。選手村視察、スポンサー企業パビリオン、気付いた事や報告したい事は山ほどあるが、もう1度北京へ行かなくてはならなくなり、まとめてレポートにし皆様に報告したい。


 折角の平和の祭典の最中、ロシアとグルジアの間で紛争が起きたことも残念でならない。国連がイニシアチブをしっかり取って、1日も早く平静を取り戻したい。

 平和の大切さをしっかりと次世代へつなぐためにも、スポーツや文化が国境を越え与える感動を更に充実させられるようがんばりたい。 

 今日15日は63年目の終戦の日、先の大戦で尊い犠牲となられた先人の御霊に哀悼の誠を捧げると共に、不戦の誓いを新たに安倍前総理と二人で靖国へ参拝をした。3年前は随行だったが、今年は政府の一員として署名もした。改めて戦争を知らない世代の政治家としての責任を痛感しながら、汗を流す覚悟だ。

結団式タラップセキュリティ前





空港での結団式                         二重・三重のセキュリティを待つ

鳥の巣前鳥の巣前集合オリンピックマーク





                     やっと鳥の巣へ到着

開会式日本入場の掲示板日本入場





すばらしいパフォーマンスは全て2008人                  日本選手団入場

会場内にて石森・東村都議と鈴木大臣と





             日中交流パーティーで石森・東村都議と 鈴木文科相とやっと合流

????記者会見谷選手





選手村激励              プレスセンターにて        谷選手銅メダル報告

中村選手応援中村選手表彰式柔道会場にて





山下先生(ロス五輪金メダリスト)と中村選手を応援(左) 中村選手銅メダル(中央)

星野ジャパンと横断幕おまけ





星野ジャパン北京入り      高尾警察、吉田館長と祝杯        おまけ

hagiuda1 at 20:28|Permalink

2008年08月08日

■文部科学大臣政務官

認証式 広島に原爆が投下された63年目の8月6日。午後の閣議を終えて、文部科学大臣政務官を拝命した。夕刻からの総理官邸での認証式では26名の政務官に一人ずつ辞令が交付されたが、私の番になると福田総理が「お行儀良く頼みますよ。ホホホ。」と笑みを浮かべながら渡され、同席した官房長官、副長官からは笑いがこぼれた。竹島問題でソウル帰りの私が文科政務官になる事に心配があったようだが、町村長官が「萩生田さんは実はバランスがいいんですよ」とつくろってその場を収めた。
政務官室にて
 初めての政務官会議、初登庁、幹部会議と慌しく続き、次々に各局のレクが始まる。「いきなり8日からの北京オリンピックに大臣、副大臣、政務官が揃って出席はまずい」と官邸からクレームが付き、一時は大臣だけとなったが、招致をめざす都代表という事で松野副大臣が急遽キャンセルをし留守を守っていただける事となり、私は許可を得た。この間、大臣も事務次官も「官邸の指示なので…」と諦めムードだったが、「私が交渉します」と「行儀悪さ」を発揮して今までの取組みと、今回の五輪出席の意義、都の期待を説明し結果を出した。一夜明けて方針が変わった事に事務方の皆さんは驚きと共に感心をしてくれ、「初日から伝説になりますね」と冷やかされたが、本当は突破力ある政治家としての存在感を示す為の官房長官の粋な配慮だったのかも知れない?
記者会見
 昨日からは院内・党等関係者への挨拶廻りが始まった。行政府の一員となり、今までは接点のなかった野党幹部へも出向き、5年も居て知り尽くしたはずの国会内にもまだまだ知らない部屋が数多くある事にびっくりしている。 教育も科学技術もその成果が表れるには時間がかかる事は言うまでもないが、時代のバトンを責任ある立場で受けた以上、少しでも将来、成果を示す事ができるような足跡を残せるよう文部科学政務官として頑張る決意だ。鈴木大臣・浮島政務官と

hagiuda1 at 17:43|Permalink

2008年08月01日

■渦中の訪韓

 毎年この時期に実施している自民党青年局海外研修に団顧問という立場で派遣された。かねてから今年は新政権となった韓国を予定し、数ヶ月前から在日大使館とも調整を重ね、ソウル市長時代から親交のある李明博大統領とも会談をいただける事となっていたが、「竹島問題」で政府関係の公式日程は直前に全てキャンセルとなった。それなら中止するかと幹部で相談をしたが、「こういう時こそ」と内容を大きく変更し実施した。

 金浦空港からはSPの付く厳戒態勢で緊張が走ったが、滞在中はトラブルもなく、それよりも一連のデモは政治目的というより彼らのコミュニケーションの一部であり、集まる事が目的のような韓国特有の事情も理解した。

 マスコミに名前を出さない条件で、与党ハンナラ党のニューリーダーの国会議員達とも極秘に意見交換したが、根底には長い間この問題をあいまいにし、先送りしてきた日本側の姿勢も否定できない。既に半世紀にわたり実効支配が続いている現状を考えると、私達世代こそが本気で話し合いを続け、主張すべきは明確に主張しながら未来指向の解決策を考えていかなくてはならない。

 折角の夏休み、予定していた子供達の交流が中止にならないよう私たちの訪韓を機に、韓国政府にも我国の関係省庁へも協力を要請し、この事は同意を得ることができた。

 さて、今日から第48回八王子祭り。何もなければたまたま当たっていた幹事長室当番をサボり、地元にいようと思っていたが、内閣改造に伴う諸手続きでそれどころではなくなり、今党本部の幹事長室にこもり伊吹幹事長や細田代理の指示を受けながら役所やマスコミの対応に追われている。組閣前には臨時役員会、役員連絡会も行われ戻れそうにない。総理には改造の為の改造と言われないよう明確な目標を掲げて、福田カラーの新内閣を期待したい。


hagiuda1 at 16:58|Permalink