2008年09月

2008年09月26日

■麻生教育立国内閣 始動

 麻生内閣が発足し、新体制でのスタートをきった。ワイドショーでは「お友達」「論功」「世襲」というワードで冴えない内閣ぶりを強調しているが、私は地味ではあるがそれなりの専門性を持った布陣だと思う。水面下では各派からの推薦名があったようだが、結果は麻生総理の自らの決断によるものだろう。

 敢えて申し上げれば河村官房長官、鳩山総務相、与謝野経済相、中曽根外相、中山国交相と、5名の文科大臣経験者が入った教育立国内閣でもあり、文科省の私達は歓迎している。もっと細かい事を申し上げれば、麻生総理自身はもちろん、中川財相も教育には力を入れてきたし、塩谷文科相、斉藤環境相、小渕少子化相も文科の副大臣、政務官経験者で、過半数が文教議員という珍しい陣容だ。景気対策ばかりがクローズアップされるが、実は永田町では教育再生に力を入れる新総理のメッセージが伝わってくる。

 さて私達各省の政務官は、法的には一時失職をし、29日に再任されるかどうかを待つ状態だが、私は早々に「オリンピック招致を控えたこの時期に、おめぇーやめられるわけねえだろ」と品のない内示を光栄にも総理自らいただいた。空白の4日間の対応にバタバタしており、他省では全くそのまま仕事を続けているところもあるが、我省はお堅い役所で「それ内示なんですか?」と心配顔。「だって内示の紙なんかないだろ」「公務は支障のないよう続けてくれと官房長官が言ってた」「それは町村長官ですか、河村長官ですか?」といちいち細かい。結局、鈴木大臣のもと最後の省議を開き一区切りをつけた。大臣は今期限りで引退を表明しているため、あまりに短い任期に無念の想いを滲ませた。

 わずか50日だが、北京オリンピック、大分県教員不正事件、小中全国学力調査、事故米の給食混入等、それぞれに感じた事を発言しあい、これからの文部科学行政の発展を誓い合った。本当はこれで部屋を空けるのだが、既に予定している会議もあり、急遽場所を政務官室から省内会議室に変更したりしながら留学生との意見交換会や都中PTA連合会との懇談、ケータイの危険性啓蒙DVDの発表会等公務をこなしている。

 同時にこの時期になると、勇退される先生方の表明が顕著になるが、中でも小泉元総理の一報には永田町に激震が走った。私はうすうす承知をしていたが、そうは言ってももう一期は続けられるものと思っていた。個人的にも親しくご指導をいただき八王子へも都合4度お出かけいただき激励をいただいた。

 中でも今年2月、東京ルネッサンス21時局セミナーでは、長い封印を解いた初の講演を引き受けていただき、道路特定財源の一般財源化の震源地になり、永田町での私の存在をボトムアップしてくれた。まだまだご健在でバッジをはずしても政治家として活躍をしていただけるとは思うが、ちょっぴり寂しい感がする。


hagiuda1 at 17:56|Permalink

2008年09月19日

■食の安全は自給率UPから

 どこの国の話かと目を疑う。
 工業用「事故米」の不正転売問題は、食の安全を根底から揺るがす許しがたい事件だ。

 文科省でも学校給食に有機リン系殺虫剤「メタミドホス」に汚染された中国産もち米が使用されていた事が発覚し、流通ルートと安全確認に奔走している。少量だった為、生徒への健康被害の恐れはないと判断したが、児童生徒の健康を守る我省としては深刻な事態と受け止めている。
「金にさえなれば人の命も気にしない」この倫理観の欠如は一体どこから来るのか? 産地をごまかし利鞘を稼ぐのもけしからんが、それ以上に悪質で、人への健康、命にも関わる問題である。

 同時に農林水産省の対応のお粗末さには怒りさえ覚える。工業用として販売していた地方農政局は、一次卸しは承知していても、エンドユーザーが誰なのか調べた事がないという。もう数十年も前からのりにも使われていない事が今さらわかった。そもそも国内産の事故米は徹底処分しておきながら、外国産をなぜ商品にしなくてはならないのか?なぜ返品ができないのか? 食材料を輸入に頼る日本の弱さ、食の安全保障の希薄さがここでも浮き彫りにされた。同じルートで日本に入る小麦も全面輸入禁止にしたようだ。ただでさえ食料品の値上げが家計に暗い影を落としている最中に、今後国内の更なる影響は避けられない。
 事務次官に続き太田農水大臣も先ほど辞任をしたようだが、文科省としては責任を取るよりただちに安全確保の対策強化をお願いした。

 八王子では「道の駅」での地場野菜等の売上げが順調で、1日2回納品する農家も出てきた。若手を始め農業従事者たちも元気とやる気を発揮している。一度は廃止の方向になった北野の食肉処理場も私達のがんばりで存続し、新鮮な食肉も市内に並んでいる。衰退したとはいえ都内最大の生産量を誇る八王子の農業を更に発展させ、地産地消の都市農業のモデルにしたいと考えている。

 市議会に当選したての頃、都立小宮公園の拡張を急ぐあまり地元説明会で「飛び地の農地は区画整理で一ヶ所にまとまってもらえないか?」と発言し、農家の皆さんからこっぴどく怒られた経験がある。「議員さん、我々がこの土を作るのに何百年かかってると思ってんだ!農業は土が命だ」と。
 あれから18年。少なからず都市農業の支援をし、生産緑地制度の不具合改正にも汗をかいてきた。怒鳴ってくれた大谷の皆さんも後継者不足で苦労している。人材と地べたを持つ八王子として、次の百年を考えて農業政策も是非力を入れてがんばりたい。

 国内自給率を高める事が、食の安全の原点につながると思うからである。



hagiuda1 at 21:17|Permalink

2008年09月12日

■新聞もワイドショー化?

 5名が立候補した自民党総裁選は党本部での所見発表、渋谷駅での第一声で始まり、全国17ヶ所での街頭演説会へと続く。改めて多彩な候補のそれぞれの考えを聞き、我党の幅の広さを感じた。マスコミでは茶番劇呼ばわりをされているが、本人はもとより支援議員間でも真剣な政策論争が起こっており、誰が総裁になっても他者の貴重な政策提言、良いアイデアがあれば汲み上げる事になるので、極めて有効な機会と思う。現実に、冷ややかな人もたくさんいた「オリンピック招致」等は、全ての候補、陣営が理解を示し、党の重要政策になった。

 さて、私の所属する政策グループ清和研(町村派)では亀裂だ、分裂だと新聞に記事が踊る。実情は、今回は独自候補を出さない事となり、それぞれが個人の立場で推薦する人をしっかり応援する事を決めたが、派内に小池さんがいた為、同情論から多数派工作が激しくなり一度水入りをした程度の話だ。議論好きな政治家の集まりは誰かが口火を切ると長いディベートになりかねず、全然異なる事で議論をしていてもドアの外のマスコミには会議紛糾と書かれる。自己判断で支持を表明し、大勢は麻生さん支持だが、小池さん、石原さん、与謝野さんの陣営に入ってがんばっている仲間もいて、皆さんさわやかに戦っている。

 派内の事よりテレビのみならず、いよいよ新聞までもが週刊誌化、ワイドショー化していることの方が私は心配だ。

hagiuda1 at 19:23|Permalink

2008年09月10日

■自民党総裁選挙始まる

麻生太郎氏出陣式
 福田総理辞任に伴う党総裁選挙が告示され、石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相、麻生太郎幹事長、石破茂前防衛相、与謝野馨金融相の5名が立候補をした(届出順)。
 それぞれ見識と経験を持った先輩方であり、私も様々なご縁も選挙応援もいただいているが、ここは政策重視で本日、麻生太郎氏の支持を明確にした。

 小泉総理から始まった構造改革、財政再建の旗は下してはならないが他方、改革のスピードに馴染まない地域や業種、バランスシートだけでは解決できない分野がある事も現実だ。都心と異なる私達の三多摩や地方では悲鳴にも近い自治体の声や、原料の高騰や金融の締め付けでまじめに努力してもトンネルを抜け出せない中小企業の実態等、良く理解した上での経済対策は必要だと思う。2011年度のプライマリーバランス(単年度収支)の黒字化は大切な目標ではあるが、最終的な国家の目的ではないはずであって、有効かつ必要な財政支出は上手に使いながら、同時に財政再建の努力を続けていく事は可能であり挑戦すべきだと思う。

 もう一つは折角安倍内閣で始まった教育再生が尻つぼみになってしまっている危機感で、教育は選挙に受けない等という近視眼なことではなく国家の最重要課題として取り組んでいきたい。教育にかかる予算は未来への投資であり、資源を持たない我国の唯一の武器であると同時に、国や地域、家族を中心とした郷土愛を持った道義の国を再建しなくてはならない。

 そして、自由、人権、法の支配といった共通の価値観を持ったアジアのリーダーとしての外交を進めて行く上でも、今回の立候補者の中からは麻生氏が最適と判断した。

 昨年、安倍内閣改造のもとで、麻生幹事長より副幹事長を拝命した際、私は幹事長にこうお願いした。「麻生幹事長もそうですが、我党には世襲や役人出身が多過ぎて、その事が国民視線の政策のずれに繋がっています。市町村合併により日本の形が大きく変わる統一地方選を軽視した事が、参議院選の敗戦へと続きました。様々な環境の中で歯を食いしばってがんばっている我党の地方議員がいる事、それを支持する皆さんが自民党を支えている事、経団連との話合いでは見えてこない中小企業の苦労やアイデアが地方にある事を、自身の目と足で見て党組織の再生を図って下さい」と。幹事長はメモを取りながらその場で
「わかった。青年局長として全国を廻った貴重な意見だろう。萩生田も一緒に行ってくれ」(麻)「私は選挙が難しい処なのでちょっと」(萩)「この世界は言い出しっぺが汗をかくんだ!」(麻)
その後、ご案内の通り3週間で幹事長は退任する事となったが、無役になっても私との約束を守り、全国170ヶ所での地方行脚を続けてくれた。

 今日の出陣式、過去3回苦渋を舐めた先輩方から「今度こそ」という挨拶があったが、私は敢えて会議の席上、「今まで支えてこられた先輩方の想いはわかるが、今日私達のように初めて支援をする同志もいる。失礼だが昨年の屈辱を晴らす選挙ではなく、全国170ヶ所をじっくりと廻り、地方の声、国民の怒り、不安、期待をしっかり受け止めてバージョンアップした新生麻生太郎としての挑戦と位置付けてほしい」と生意気を申し上げ、満場の拍手を受けた。

 ご賛同いただける党員の皆様にはご支援をいただければ幸いです。

hagiuda1 at 17:35|Permalink

2008年09月06日

■混乱、混迷、困惑

 わずか一週間で目の回るような変化だ。

 当日は都連青年部の有志、OBの皆さんから文科政務官就任のお祝いの会を開いていただき、教育行政の最前線で努力をされている区議や市議の皆さんから、様々な要望や貴重な問題を提起いただき有意義な時間を過ごしていた。突然、9時半から総理緊急記者会見の一報が入り、閣僚やマスコミ関係者から電話が鳴り続けた。

 結果は福田総理辞任。
 悩み抜いた末だとは察するが、それにしても何故今なのか? 他人事のような記者会見にかばいたくても、その言葉はみつからなかった。
 どんな理由にせよ、私からは皆様に心からのお詫びを申し上げます。

「迷惑を最小限にできる時期」と発言されたが、厳しい国会運営、国策を左右する外交問題、困難は承知で前へ進むのが私たち政治家であり、その先頭に立つのが総理であるべきだ。福田総理には火だるまになろうとも最後までぎりぎりの努力をしてほしかったし、倒れてからの決断でも遅くはなかったのではないかと残念に思う。改めて政治のリーダー像を考え直さなくてはならない時期に来ている。

 翌日から永田町は次の総理、総裁選びにざわめき始めた。当初は「麻生さんしか出なければ民主党と変わらない」という危機感から「何としても党内でオープンな政策論争をして新リーダーを選ばなくては」とあちこちで会合が開かれたが、その甲斐あって現時点では麻生氏に加え与謝野経済相、石原元政調会長、小池元防衛相、そして石破前防衛相の立候補が確実となり、加えて青年局長経験者でもあり私と同年の棚橋元科技特命相も名乗りを上げた。ほかにも山本一太氏等数名が意欲を示している。派閥横断の開かれた政策論議で自民党の底力を示す良い機会と歓迎したいが、人間関係では大いに悩んでいる。麻生幹事長は安倍前総理との信頼関係から私を高く評価いただき、昨年異例の副幹事長に抜擢いただいて以来、大変お世話になっているし、石原都連会長は言わずと知れた兄貴分として家族ぐるみのお付き合いだ。

 与謝野先生、小池先生には東京の仲間として親しくご指導いただいているし、棚橋先生とは「誰も出なければ歴代青年局長で捨て石になってでも出さなくては」と相談した間柄だ。政策的には改革を続けながらも必要な財政出動は的確に行うべきと考えている私にとって文科政務官として取りまとめた全国の幼稚園、小中学校等の耐震補強や建替、通学路の危機箇所の改善等は補正予算の前倒しで是非やらせていただきたい。そういった意味では麻生先生に近いかも知れない。但し赤字国債ではなく、あくまで財源を見つけ出してという難しいバランスを考えて。

 いずれにしても皆さんの政策や主張をしっかりと聞いて、自身の支援を明確にしたい。


hagiuda1 at 00:34|Permalink