2008年10月
2008年10月31日
■安心・安全 総合経済対策を先に
麻生総理は自ら記者会見を開き、世界的金融危機を乗り越える為にも平成20年度第2補正を含む総合経済対策を発表した。事業規模は近年にない約27兆円で、国の財政支出は5兆円の見通しだ。財源には特別会計の準備金の一部を充て、赤字国債の発行はしない事を重ねて強調した。
減税に代わる給付金や高速道路料金の値下げについては既に報道でクローズアップされているが、私が担当したのは一次にも加えた「学校の耐震補強、建替えの前倒し」と、「校庭や屋上の芝生化、緑地化」をエントリーし、新規に「安心こども基金」約1000億円の創設で保育園、幼稚園不足に地元負担を最大限に抑え、新設や増改築、認定こども園への移行のできるスキームを作った。又、地域の中核的な医療機関としての大学病院(例えば本市の東京医大と東海大)の機能充実の予算も組み込む事ができた。
「2011年に地上デジタル放送に対応する学校受信環境の整備」も強く提案したが、これはまだ少し時間があるという判断で採択はされなかった。代ってノーベル賞4名の受賞を機に「最先端研究の開発促進」という新たな成長力強化費150億円を計上できた。
民主党はじめ野党は一斉にばらまき批判を強めているが、各省と与党で真剣に積み上げたもので、それぞれきちんとした根拠も効果も期待できるものと確信する。
併せて財政健全化に向け3年後に消費税率の引き上げを明言したのは少し驚かされたが、あくまで税制の抜本的改革と行政改革をセットで進める前提条件付で、決して行政のムダにメスを入れずに3年後を待つわけではない。財源を明確にする点では責任政党の総裁としての真髄を見せた事になるが、前途は決して楽ではない事は想像できる。
国会は会期を延長してもこの補正を通さなくてはならず、その結果予想していた11月中の選挙は先送りとなった。ただ、総理は経済対策が先で、政治空白を作る訳にはいかないというのが大義であり、国会空転という政治空白が続けば、その時の新たな決断も考えられ、依然解散含みでの国会運営は続く。
来週からは本格的に公務へ戻る事となり、政務官日程がギッシリ入ってきた。
減税に代わる給付金や高速道路料金の値下げについては既に報道でクローズアップされているが、私が担当したのは一次にも加えた「学校の耐震補強、建替えの前倒し」と、「校庭や屋上の芝生化、緑地化」をエントリーし、新規に「安心こども基金」約1000億円の創設で保育園、幼稚園不足に地元負担を最大限に抑え、新設や増改築、認定こども園への移行のできるスキームを作った。又、地域の中核的な医療機関としての大学病院(例えば本市の東京医大と東海大)の機能充実の予算も組み込む事ができた。
「2011年に地上デジタル放送に対応する学校受信環境の整備」も強く提案したが、これはまだ少し時間があるという判断で採択はされなかった。代ってノーベル賞4名の受賞を機に「最先端研究の開発促進」という新たな成長力強化費150億円を計上できた。
民主党はじめ野党は一斉にばらまき批判を強めているが、各省と与党で真剣に積み上げたもので、それぞれきちんとした根拠も効果も期待できるものと確信する。
併せて財政健全化に向け3年後に消費税率の引き上げを明言したのは少し驚かされたが、あくまで税制の抜本的改革と行政改革をセットで進める前提条件付で、決して行政のムダにメスを入れずに3年後を待つわけではない。財源を明確にする点では責任政党の総裁としての真髄を見せた事になるが、前途は決して楽ではない事は想像できる。
国会は会期を延長してもこの補正を通さなくてはならず、その結果予想していた11月中の選挙は先送りとなった。ただ、総理は経済対策が先で、政治空白を作る訳にはいかないというのが大義であり、国会空転という政治空白が続けば、その時の新たな決断も考えられ、依然解散含みでの国会運営は続く。
来週からは本格的に公務へ戻る事となり、政務官日程がギッシリ入ってきた。
hagiuda1 at 18:42|Permalink│
2008年10月24日
■犯人探しの問題ではない
高度医療機関の集中する都心での妊婦死亡事件は、改めて救急医療の困難さ、産科を含めた医師不足の根深さを考えさせられた。
お亡くなりになられた患者さんのご冥福をお祈りする。
今回のマスコミ報道が一斉に犯人探しのようになってしまって医療現場が萎縮してしまったり、あるいはまた一人、産科医師が現場を離れるという事態は避けなければならないと心配する。一昨年帝王切開手術を受けた女性が死亡して医師が逮捕された福島県立大野病院での事件以来、ハイリスク出産を敬遠する産科医が増え、医師そのものを辞めてしまう先生方もあり、医師不足に拍車をかけている。本年8月に無罪が決定したとは言え、医療関係者に与えた影響は甚大で、今後の免責制度等、何か考えなければ救急救命医療は崩壊へと進むだろう。
今回のケースは救急搬送先のかかりつけ産科医が頭痛を訴える患者に異常を感じ、都立墨東病院の「総合周産期母子医療センター」に照会したが、当直医が一人の為、他の指定機関を紹介するも、いずれも受け入れをできず最初の照会から45分後再び墨東へ連絡し搬送した。
ここでマスコミ報道が乱暴なのは、帝王切開をしたのは産科医であるが、直後に脳内出血の手術をしたのは脳外科医である事で、お産に伴う事故とは性格が違う事を正しく伝えてない点だ。都の説明を聞くと出産予定まであと5週間あり、脳のオペを先にと検討したが、手術中に万一胎児に血液や酸素が行かない事態は避けなくてはならないと先に帝王切開を試み、直ちに脳手術へ移ったとの事。
産科医がいればもっと早く対応ができた事は否めないが、脳外科の当直医がいなければ脳内出血の確認や手術すらできず、次の病院へ搬送された可能性もある。
原因究明と再発防止に向け冷静な検証が必要で、その為には救急医療体制をどこまで充実させるかの問題もあり、産科不足の問題に特化してしまうのは本質を見誤る事にもなりかねない。
私も都議会当時、がむしゃらに都立小児病院の移転に反対した。しかし、小児病院がある事で救える子供達もいれば、周産期医療等、単体の小児病院では限界の医療分野もそれ以上にある。その後は小児病院移転後の穴をどう塞いでいくかに奔走した。特に八王子小児は外来の8割が一次救急で安心感を求めて小児病院へ駆け込むが、実際は近所の内科で充分対応できるケースが多く、その事が本来の二次救急の役目を低下させていた。
休日準夜間の一次救急は医師会を中心に市夜間診察所で連日対応いただく事となったし、東京医大、東海大が隔日で二次救急に対応し、都が更に1名の医師を派遣する事となっている。移転後の跡地でも小児外来は受診できる見直しとなり、更にドクターカーも市内に配備する事となった。当時よりは数段充実した事になるが、市民への説明が弱く、未だに政争の具として危機感だけを煽る政治家もいる。
もちろん近くにある方が良いに決まっているが、今回のように他の診療課目のバックアップ体制を考えれば限られた医療資源を最大限に活用する方法として府中でのセンター機能の充実はやむを得ない。但し、将来に渡ってこのままでいいとは思ってなく、小児ドクターヘリの導入等、いずれにせよ財源とセットで市内での充実が図れるよう国としての支援策を拡充すべく検討を続けている。
小泉改革で始まった年間2200億の医療費削減も限界にきている。高齢者医療の見直しも大切だが、声の出せない小児医療の充実は更に大切な問題と思う。
お亡くなりになられた患者さんのご冥福をお祈りする。
今回のマスコミ報道が一斉に犯人探しのようになってしまって医療現場が萎縮してしまったり、あるいはまた一人、産科医師が現場を離れるという事態は避けなければならないと心配する。一昨年帝王切開手術を受けた女性が死亡して医師が逮捕された福島県立大野病院での事件以来、ハイリスク出産を敬遠する産科医が増え、医師そのものを辞めてしまう先生方もあり、医師不足に拍車をかけている。本年8月に無罪が決定したとは言え、医療関係者に与えた影響は甚大で、今後の免責制度等、何か考えなければ救急救命医療は崩壊へと進むだろう。
今回のケースは救急搬送先のかかりつけ産科医が頭痛を訴える患者に異常を感じ、都立墨東病院の「総合周産期母子医療センター」に照会したが、当直医が一人の為、他の指定機関を紹介するも、いずれも受け入れをできず最初の照会から45分後再び墨東へ連絡し搬送した。
ここでマスコミ報道が乱暴なのは、帝王切開をしたのは産科医であるが、直後に脳内出血の手術をしたのは脳外科医である事で、お産に伴う事故とは性格が違う事を正しく伝えてない点だ。都の説明を聞くと出産予定まであと5週間あり、脳のオペを先にと検討したが、手術中に万一胎児に血液や酸素が行かない事態は避けなくてはならないと先に帝王切開を試み、直ちに脳手術へ移ったとの事。
産科医がいればもっと早く対応ができた事は否めないが、脳外科の当直医がいなければ脳内出血の確認や手術すらできず、次の病院へ搬送された可能性もある。
原因究明と再発防止に向け冷静な検証が必要で、その為には救急医療体制をどこまで充実させるかの問題もあり、産科不足の問題に特化してしまうのは本質を見誤る事にもなりかねない。
私も都議会当時、がむしゃらに都立小児病院の移転に反対した。しかし、小児病院がある事で救える子供達もいれば、周産期医療等、単体の小児病院では限界の医療分野もそれ以上にある。その後は小児病院移転後の穴をどう塞いでいくかに奔走した。特に八王子小児は外来の8割が一次救急で安心感を求めて小児病院へ駆け込むが、実際は近所の内科で充分対応できるケースが多く、その事が本来の二次救急の役目を低下させていた。
休日準夜間の一次救急は医師会を中心に市夜間診察所で連日対応いただく事となったし、東京医大、東海大が隔日で二次救急に対応し、都が更に1名の医師を派遣する事となっている。移転後の跡地でも小児外来は受診できる見直しとなり、更にドクターカーも市内に配備する事となった。当時よりは数段充実した事になるが、市民への説明が弱く、未だに政争の具として危機感だけを煽る政治家もいる。
もちろん近くにある方が良いに決まっているが、今回のように他の診療課目のバックアップ体制を考えれば限られた医療資源を最大限に活用する方法として府中でのセンター機能の充実はやむを得ない。但し、将来に渡ってこのままでいいとは思ってなく、小児ドクターヘリの導入等、いずれにせよ財源とセットで市内での充実が図れるよう国としての支援策を拡充すべく検討を続けている。
小泉改革で始まった年間2200億の医療費削減も限界にきている。高齢者医療の見直しも大切だが、声の出せない小児医療の充実は更に大切な問題と思う。
hagiuda1 at 18:56|Permalink│
2008年10月17日
■市内でも農薬混入中国野菜
南大沢のイトーヨーカ堂で販売された、中国製冷凍インゲンを食べた八王子市民が体調不良を訴え、基準値の3万倍超の有機リン系農薬ジクロルボスが検出され、地元も永田町も緊張が走った。
前夜、市側から一定の報告を受け生命に別状はないとの事なのでひと安心したが、その後の厚労省の報告では、明らかに残留農薬という問題ではなく、人的混入の疑いは否めない。開封場所以外、外傷はなく、中国側で混入されたと考えるのが自然だが、早速メーカー側は「数回に渡り検査の後出荷をしている」ので、生産段階での混入は考えられないとコメントを発表した。
だらしない事に今日になって袋に1ミリの穴があったと警視庁が発表したが、これでは中国側の捜査が鈍る原因になりかねない。
ならば、誰がいつどうやって、なんの為にこのような事ができるのだろうか?
そもそも北京オリンピックを挟み、うやむやになってしまったメタミドホス入餃子事件も解決に至っていない。
ここは中国側の説明を唯々諾々と聞いていないで、我国の専門技術者を派遣をしてきっちりと調査をすべきであり、関係市の代議士として舛添厚労大臣、野田内閣府担当大臣へも申し入れを行い、早期原因究明を求める八王子市からの要望書も提出した。
報道では、「東京都八王子市 京王相模原線の南大沢駅・・・」とあるものだから、仲間の議員からは「八王子は相模原へ出なきゃならないの?」等質問が飛んだ。多摩ニュータウンの説明をすると理解をいただけるが、改めてネーミングの大切さを感じた。
私が都議会の初質問で質した南大沢の警察署が、その後の地元都議のがんばりで来年には開設の見込みだ。当初は多摩西警察という仮称だったが、とことん南大沢にこだわり、なんとか決着をしそうだ。八王子街区の入居が始まり、約35年経ってやっと警察署が出来るが、未だ消防署は土地だけが確保されている状態。既に都もURもニュータウン事業から引き上げ、後の街づくりは地元市の責任になるが、移管された道路や公園のメンテナンスが必要のところも出て来た。国への借金返済も終わらないうちに閉鎖を余儀なくされる学校もあるのだから、ニュータウンの抱える特殊事情を国はしっかりと理解し、別途支援策を講じなくては、本市のみならず全国のニュータウン所在自治体はたまったもんじゃない。昨年から党内にニュータウン再生の研究会を立ち上げ、必要な法整備の検討を始めた。
例えばモノレールの敷地・分離帯はジョギングやサイクリングに開放したり、例え未償還でも学校の跡地利用は地方自治体に権限を移譲したり等、ニュータウンに合った仕組みづくりや財政支援のあり方を検討している。少子化や人口減を、指をくわえて見ているのではなく、大胆な建替策で外へ出て行ったニュータウン第2世代が親子で戻ってこれる3世代同居等も試みたい。
ちなみに多摩ニュータウンエリアだけでも200hを超える未利用地が存在する。ここ数年、売主側に有利な用途地域、容積率、高さ制限等の見直しが進み、近代的な街づくりが進んでいるが、他方、当初計画とは異なる土地利用で新たな問題も発生している。ここは、慌てて切り売りするのではなく、学校農園や都市農業拠点として子供から団塊世代まで土をいじり、地産地消を心がけてはどうかという提案もしている。
中国産に頼らずニュータウン産野菜が並ぶ事になれば、食の安全への意識も更に高まるのではないか。
前夜、市側から一定の報告を受け生命に別状はないとの事なのでひと安心したが、その後の厚労省の報告では、明らかに残留農薬という問題ではなく、人的混入の疑いは否めない。開封場所以外、外傷はなく、中国側で混入されたと考えるのが自然だが、早速メーカー側は「数回に渡り検査の後出荷をしている」ので、生産段階での混入は考えられないとコメントを発表した。
だらしない事に今日になって袋に1ミリの穴があったと警視庁が発表したが、これでは中国側の捜査が鈍る原因になりかねない。
ならば、誰がいつどうやって、なんの為にこのような事ができるのだろうか?
そもそも北京オリンピックを挟み、うやむやになってしまったメタミドホス入餃子事件も解決に至っていない。
ここは中国側の説明を唯々諾々と聞いていないで、我国の専門技術者を派遣をしてきっちりと調査をすべきであり、関係市の代議士として舛添厚労大臣、野田内閣府担当大臣へも申し入れを行い、早期原因究明を求める八王子市からの要望書も提出した。
報道では、「東京都八王子市 京王相模原線の南大沢駅・・・」とあるものだから、仲間の議員からは「八王子は相模原へ出なきゃならないの?」等質問が飛んだ。多摩ニュータウンの説明をすると理解をいただけるが、改めてネーミングの大切さを感じた。
私が都議会の初質問で質した南大沢の警察署が、その後の地元都議のがんばりで来年には開設の見込みだ。当初は多摩西警察という仮称だったが、とことん南大沢にこだわり、なんとか決着をしそうだ。八王子街区の入居が始まり、約35年経ってやっと警察署が出来るが、未だ消防署は土地だけが確保されている状態。既に都もURもニュータウン事業から引き上げ、後の街づくりは地元市の責任になるが、移管された道路や公園のメンテナンスが必要のところも出て来た。国への借金返済も終わらないうちに閉鎖を余儀なくされる学校もあるのだから、ニュータウンの抱える特殊事情を国はしっかりと理解し、別途支援策を講じなくては、本市のみならず全国のニュータウン所在自治体はたまったもんじゃない。昨年から党内にニュータウン再生の研究会を立ち上げ、必要な法整備の検討を始めた。
例えばモノレールの敷地・分離帯はジョギングやサイクリングに開放したり、例え未償還でも学校の跡地利用は地方自治体に権限を移譲したり等、ニュータウンに合った仕組みづくりや財政支援のあり方を検討している。少子化や人口減を、指をくわえて見ているのではなく、大胆な建替策で外へ出て行ったニュータウン第2世代が親子で戻ってこれる3世代同居等も試みたい。
ちなみに多摩ニュータウンエリアだけでも200hを超える未利用地が存在する。ここ数年、売主側に有利な用途地域、容積率、高さ制限等の見直しが進み、近代的な街づくりが進んでいるが、他方、当初計画とは異なる土地利用で新たな問題も発生している。ここは、慌てて切り売りするのではなく、学校農園や都市農業拠点として子供から団塊世代まで土をいじり、地産地消を心がけてはどうかという提案もしている。
中国産に頼らずニュータウン産野菜が並ぶ事になれば、食の安全への意識も更に高まるのではないか。
hagiuda1 at 22:16|Permalink│
2008年10月10日
■文科省はノーベル賞フィーバー
今週は明るいニュースが飛び込んできた。
ノーベル物理学賞に南部陽一郎教授、小林誠教授、益川敏英教授のトリプル受賞の報告があり対応に大慌てをしていた翌日には、米国籍とはいえ下村脩教授が化学賞を受賞した。
担当局からは「素粒子の自発的対称性の破れ」についてレクチャーを受けるも正直良く解らない。
光栄にも本日、小林、益川両教授が文科省に受賞報告にお見えいただき、先日のオリンピックメダリストの訪問とは違った感動を得た。いずれにしても世界に認められる発見や研究を日本発で行えた事を誇りに思う。
さてお気付の方もいらっしゃるだろうが、南部先生も下村先生も米国在住である。ノーベル賞を取る以前から海外では認められる研究でも、国内では中々評価をされず研究を続ける環境は決して良いとは言えない。オリンピックのメダルもそうだが、我国では成果主義が強く、途中での評価をする仕組みが弱い。結果として論文をまとめ一区切りで止まってしまっている基礎研究のストックばかりが溜まり、橋渡しや実用に足踏みをし、次のステップへ進めない。
理由は「予算がない」で片付けられてしまう。科学技術がその成果を示すには時間がかかる。今回の四名も20年、あるいはそれ以上前の論文に端を発する。国も近年科学研究費の拡大に努力し、各大学への支援をしているが、公でまかなうには限界がある。米国では個人や企業からの寄附文化が醸成され、しかも税優遇が施されている。日本では昨年やっと所得税の40%まで拡大したが、世界レベルではまだまだだ。
科学技術研究の出口はあくまで国民の暮らしの進歩であり、健康を守る事であり、次代への責任でもある。研究の延長には商品開発や産業育成、経済活動につながるものも数多くあり、研究者の為の研究は一つもない。この価値観を国内に広め、理解者を増やさない限り知的財産、人材の国外流出は止められない。もちろん世界に貢献する研究は国籍をどこでもという考えもあるが、元日本人のノーベル賞受賞者が増えるのは寂しい気がする。
ノーベル物理学賞に南部陽一郎教授、小林誠教授、益川敏英教授のトリプル受賞の報告があり対応に大慌てをしていた翌日には、米国籍とはいえ下村脩教授が化学賞を受賞した。
担当局からは「素粒子の自発的対称性の破れ」についてレクチャーを受けるも正直良く解らない。
光栄にも本日、小林、益川両教授が文科省に受賞報告にお見えいただき、先日のオリンピックメダリストの訪問とは違った感動を得た。いずれにしても世界に認められる発見や研究を日本発で行えた事を誇りに思う。
さてお気付の方もいらっしゃるだろうが、南部先生も下村先生も米国在住である。ノーベル賞を取る以前から海外では認められる研究でも、国内では中々評価をされず研究を続ける環境は決して良いとは言えない。オリンピックのメダルもそうだが、我国では成果主義が強く、途中での評価をする仕組みが弱い。結果として論文をまとめ一区切りで止まってしまっている基礎研究のストックばかりが溜まり、橋渡しや実用に足踏みをし、次のステップへ進めない。
理由は「予算がない」で片付けられてしまう。科学技術がその成果を示すには時間がかかる。今回の四名も20年、あるいはそれ以上前の論文に端を発する。国も近年科学研究費の拡大に努力し、各大学への支援をしているが、公でまかなうには限界がある。米国では個人や企業からの寄附文化が醸成され、しかも税優遇が施されている。日本では昨年やっと所得税の40%まで拡大したが、世界レベルではまだまだだ。
科学技術研究の出口はあくまで国民の暮らしの進歩であり、健康を守る事であり、次代への責任でもある。研究の延長には商品開発や産業育成、経済活動につながるものも数多くあり、研究者の為の研究は一つもない。この価値観を国内に広め、理解者を増やさない限り知的財産、人材の国外流出は止められない。もちろん世界に貢献する研究は国籍をどこでもという考えもあるが、元日本人のノーベル賞受賞者が増えるのは寂しい気がする。
hagiuda1 at 16:30|Permalink│
2008年10月03日
■文部科学大臣政務官 再任
女性部主催の仙台旅行から一足先に東京へ戻り、二度目の政務官就任式に臨んだ。
麻生総理から「大事な仕事なんで頼みます」と直接辞令を受け取り、決意も新たに文科省へ戻った。各々政務官再任で手続きの流れを承知しているものですから、ひな壇での記念撮影では前回後方だった方々が小走りに最前列を取り合う姿に、紅一点である「うち(文科省)の浮島政務官を前にして」と頼んだが誰一人聞こえないふり。何か子供の頃を思い出し、おかしくもなった。
当日は中山国交大臣の辞任もあった。国交大臣としては不適切な発言で、かばうつもりは無いが、職を賭して発言をした教育改革に対する先生の想いは本物で、教組による行き過ぎた政治活動は私達文科省こそがしっかり受け止め対応していかなくてはならないと感じる。折角教育現場の多様化や専門性の強化の為、学校現場にマンパワーの補充をしたく、小中教員の増員を要求したが、財務省からも党内からも猛反対にあって叶わなかった。いくつも理由はあるが、その必要性を訴えている最中に、毎日のように「やれ基本法反対だ、指導要領改正反対だ」と座り込みをする教員が何百人もいれば「これで増員するのか?」となる。
私は兼ねてから教師との出会いは人生の価値観さえも変える大切な職業で、その為に人材確保法によって一般の都道府県職員とは異なる処遇にある、特別な公務員なのだから、地方公務員法52条の改正で組合活動は規制をしたらどうか? と提案もしている。一朝一夕には変わらないが、誇りを持てる職業として多くの若者が志す教員像を求めて行きたい。
hagiuda1 at 19:55|Permalink│