2009年06月

2009年06月26日

■国対地方の対決!?

 東国原宮崎県知事への出馬要請をめぐり党内はざわめきたっている。出馬の条件として総裁候補と知事会マニフェストの丸呑みという乱暴な条件を突きつけた知事のしゃべり過ぎ姿勢には首を傾げるが、分権の風穴を開ける千載一遇のチャンスと攻めに出た思いは理解出来る。

 マスコミは古賀選挙対策委員長のスタンドプレー、なりふり構わぬ自民の醜態と蔑むが、昨年副幹事長として古賀委員長と九州を廻り、特に宮崎をご一緒にした私には緻密な戦略がうかがえる。党内叩き上げの百戦錬磨、マスコミ嫌いの委員長がわざわざ宮崎まで出向きテレビの前でやり取りをするのは、そんな単純な話で無い事は永田町を知る者なら想像がつく。かかってきた電話は時に相手の都合でかけた電話として伝わる事もあるので、ここは知事がどのくらい真剣に国政転身を考えているかで評価したい。

 その東国原知事しかり橋下知事しかり、分権への熱い想いを抱く地方政治家がどんどん発信力を使って、日本の形を変えていこうという呼びかけは、地方政治を13年経験した私も共鳴する。しかし、真の分権は単に財源や権限の移譲だけでは完成しない事を私は国政に参画して痛切に感じており、その事は橋下知事にもお話して知事は素直に聞いてくれた経緯もある。

 私が経験した地方は実に洗練された東京都政と流入人口やライフスタイルの変化にあえぎながらも歴史や伝統、地域の絆を底力に何とか前進を続けてきた八王子市政でいずれも国内では様々な点で自立都市と呼べる。しかし同じ地方自治でも国が手を離せば倒れてしまう県や、どんなに努力をしてもスピードが出ない、完走できないといった市町村も山ほどある事に驚かされたし、又、それで満足している処もある。

 毎年地方交付税に算定される公立小・中学校の教材費一つとっても措置率を見れば平均65.3%だ。すなわち教育現場の図書、理科の実験備品、バレーボール等を買うべきお金が35%も他の行政目的に使われているという現実だ。

 実際には東京のような不交付団体が独自の予算措置で平均値を上げているのに、平均以下の自治体は36道県に及ぶからびっくりだ。それぞれ事情は異なるので一概に批判は出来ないが、子供達の教育費に手を突っ込み異なる目的に使う自治体がある以上、分権だけでは解決できない一例に過ぎない。

 真の分権を進めるにはその受皿たる地方自治のスタンダードを底上げする事が大切である事を私は機会あるごとに発言している。だからと言って時間をかけ丁寧にやれば成功するテーマでもない。鶏が先か卵が先か?

 ここは地方の反乱をどう活かすか?地方政治出身の私達自民党議員の出番かも知れない。

公立小・中学校教材費措置率(都道府県別)

hagiuda1 at 19:49|Permalink

2009年06月20日

■スポーツ庁設置へ

hyousyou2 会期末までカウントダウンだが、かねてから党内でも必要性が議論されてきたスポーツ基本法(案)がまとまり国会提出を試みる事となった。昭和39年の東京五輪の時に作ったスポーツ振興法ではスポーツの定義が狭隘で時代の変化に対応できず、改めて幅広いスポーツの定義や国・地方の役割や責任を明確にし、国家戦略としてのスポーツの在り方を示し、スポーツ庁の設置を目指すきわめて有効な法案となった。残念なのは超党派の議連でも必要性を訴えてきた民主党が一転、反対を表明した事だ。五輪招致でもあれだけ政局を振り回し、結果として決議を遅らせた前科がある以上覚悟はしたが、麻生内閣で得点をあげさせないという政治判断でスポーツマンシップに大いに反する愚行だと思う。

今週、文科大臣顕彰で冬季スポーツを中心にこの半年国際大会等で活躍した選手のみなさんの表彰式があった。モーグルで優勝した上村愛子さんやスケートの安藤美姫さん等一流選手ばかりだが、残念ながら本当に日の丸を背負って国際舞台で活躍したのかと首を傾げたくなる礼儀知らずの振る舞いの選手もいる。そういえば、4大会連続のW杯出場を決めたサッカー日本代表も首を回したり、ジャンプをしながら国歌斉唱をする選手が後を絶たない。JOCでも「人間力豊かな一流アスリート」を目指し教育をしているが、大人になって急に教えても子どもの頃からの育ちに起因するところ大で困っているそうだ。ジュニア時代から一流選手として特別扱いされてきたことがかえってあだになっている選手もいる。

 法文には「日本古来の武道精神等、礼節を重んじた日本流スポーツマンシップの大切さ」も加えて欲しいとお願いした。

 嬉しい事に補正予算でメニューに加えた中学校での武道場建設に、八王子市が8校の整備計画を提出してくれた。国内でも最速、最多の取組みだ。強ければ良いという価値観だけではなく、どんなスポーツにも通ずる武道精神を通じた日本のスポーツマンを育てる事ができるよう法案成立に努力したい。
hyousyou1

hagiuda1 at 08:24|Permalink

2009年06月12日

■ハンデを越え

souri 世界三大ピアノ大会の一つ、バン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて辻井伸行さんが日本人初の優勝という朗報が文化庁へ飛び込んで来た。しかも生まれながらの全盲というハンデを乗り越えての快挙だ。恥ずかしながら文化・芸術に疎い?政務官は最初の報告で「障害者のコンクール?」と聞いてしまった。大会のレベルの高さを聞いて改めて今日までの彼の努力に敬服すると共にご家族始め関係者の皆様に祝意を捧げたい。

 「もし夢を一つだけ叶えてくれるなら、たった一日でいいから自分の目でお母さんの顔を見たい」幼い頃、医師である父親に話した言葉だそうだ。
両親の顔どころか太陽も海も山々の緑も楽譜さえも見たことがない彼が一流のピアニストとなった背景には才能と共に血のにじむような努力があった事は想像できる。帰国後の記者会見で「今は心の目で見える」と胸を張った姿にも感動を覚えた。

 省内では特別支援学校・学級の充実に向けての検討を進めている。弱視の為の拡大教科書やICTを活用した習熟度別授業、コーディネーターの増員等財政とマンパワーでカバーできる事はしっかりと取組みたい。支援教室へ安易に移行するのではなく、できるだけ一般教室でのサポート体制を充実したいと考えているが、一番の問題は親が障害から目を背けてしまう事だ。我が子を障害児と認めがたい心境は理解できるが、学校現場や教育委員会がその事に触れるのも慎重を要するし、医師や専門家の体制整備も地域格差は否めない。学校へのデジタル整備は双方向の通信を活かしこういう問題へも取組んで行こうと思う。

 産婦人科医でもある彼の祖父は孫を一目見て障害がある事を確信したが「障害を持つ子供が生まれる確率は一定ある。うちの子で良かったじゃないか。しっかり守り育てて行こう」と両親に呼びかけたと言う。周囲の前向きな取り組みも辻井さんを世界一のピアニストに育てた環境かも知れない。

「一人一人の可能性を最大限に発揮できる特別支援教育に向け政治がやれる事はなんでもやる」担当所管に激を飛ばした。
「ハンデはあるけど音楽の世界で超えられない障害はない」と笑って話す辻井さんの今回の受賞が障害を持つ子供や親にとっても大きな勇気を与えてくれる事に期待する。


hagiuda1 at 18:38|Permalink

2009年06月05日

■事務所開き

 告示まで1ヶ月と迫った都議選に向け串田議員、石森議員が事務所開きを行った。同じ党が二手に分かれて行う都議選は激しく戦えば戦うほどその後のしこりが残り支援者同士もいがみ合い、結果として政治力を分散させてしまう繰り返しをしてきた事が八王子の遅れの原因の一つだった。8年前、私と串田さん、そして友党の東村さんでこの因習を打ち破り、力を合わせて都政の為、八王子の街づくりの為がんばろうと誓いを固め、その後石森さんとバトンタッチをし今日までその「チーム力」で問題解決にあたってきた。

 各定例会の前、四半期ごとには市長室に集まり国政・都政・市政で喫緊の課題を話し合い役割分担を確認したり、継続案件の確認や問題を共通認識し取り組み、納得するまでの会合を続けてきた。都議三人、それぞれの得意分野や地域性をお互い認め合い「この件は○○議員にお願いしよう」とくだらない手柄争いもせずスピード感を持って結果を出す努力をしてきた。

 市民の皆様からは「まだまだ」と言われるかもしれないが、過去の八王子の政治体制ではありえなかった協力関係で着実に街づくりが動き出し前進をしている原動力になっている事は認めてほしい。そしてこの連携はハード面のみならず先日のインフルエンザ対応にも力を発揮することができた。

 八王子の政治の歴史を変えてきた8年間と言っても過言ではないと思う。政治に携わる者が力を合わせ同じ方向に向かえば歯車は大きく、すばやく回転する事を私たちも行政も市民も再確認することができたと思う。

 残念なのは政治経験のある者がそれを解からず勝手な思いで歯車に石を挟もうとしている事だ。昔のしがらみにひきずられ大義の無い覇権争いに巻き込まれる市民も実に不幸であり、時計の針を戻してはいけない。何としてもここは成熟してきた現体制を守り、発展させていくことが八王子の正義である事を訴えていきたい。

 近頃「代議士はあっちに肩入れしている」とか「こっちに来ない」とか雑音が聞こえてきた。耳障りだが各陣営に火が付いた証拠だと是としたい。

 仲良しの三人ではあるがここは心を鬼にして大いに戦って必ずや勝利をつかんでほしいと願うし、終わればノーサイド、次なる挑戦に力を合わせてがんばりたい。八王子の歴史のど真ん中にいる政治家同士として。
石森都議串田都議

hagiuda1 at 16:06|Permalink