2009年12月

2009年12月25日

■甘酸是人生

 官邸でも党本部でもなくホテルの一室を借り切ってバッチを外しての異例の記者会見だった。一国会議員の立場を強調したが、ならば議員会館の会議室を使えばよい。さすが金持ち政治家、鳩山総理は記者会見場選びから感覚がずれている。
 偽装献金や母親からの12億を超える違法な資金提供をいずれも「知らなかった」では済まされない。国民の納税義務、意識、公平性を著しく後退させる取り返しのつかない失態だと言わざるを得ない。来年の通常国会では真実を明らかにすべく野党自民党は参考人招致を躊躇無く行い、弟についてもけじめをつけるべきだ。

 自民党なら守る執行部もいれば退陣を迫る若手もいて自浄作用が働くが、今の民主党内から若手も含め何ら異論が出ない事の方が恐ろしい。直接、間接、鳩山マネーのお世話になっている後ろめたさもあるのだろう。全ての議員が小沢幹事長の顔色を見ながらの行動で独裁そのものだ。きっと小沢幹事長が鳩山批判を口にした瞬間から堰を切ったように批判に同調するんだろう。

 その小沢訪中・訪韓が、高校の教科書にも飛び火した。
昨年、私の責任で中学校指導要領の解説書に初めて記述した日本の領土「竹島」が高校ではなくなる事になった。鈴木副大臣は「中学からの延長で簡素化しただけで外交上の配慮ではない」と解説するが、全然説明になっていない。日本の報道の前に韓国側が知っている事でも明らかに売国奴である。

 さて、今年も余すところ一週間、日本国の内閣の一員として新年を迎え、浪人として年の瀬に向かう多事多難な年だった。それでも多くの人に出会い、支えられ、敗戦も含め数々の貴重な経験をさせていただいた充実した一年だった。「甘酸是人生」事務所を片付けていると故・原文兵衛参院議長から結婚式にいただいた色紙が目に付いた。高尾山の大山隆玄御貫主からは「忍」。そして、八王子書道連盟の伊藤会長から「王道を行く」の色紙。今まであまり気にした事のなかった一枚一枚の書にも皆さんの大きな激励が込められている事を改めて知り、失敗したからこそ気づく人の情に感謝しながら来年の精進を誓う。一年間ありがとうございました。


hagiuda1 at 19:27|Permalink

2009年12月18日

■再生会議本部長

 本部長を拝命したTOKYO自民党再生会議の第一回会合が召集された。
委員は現役と落選の衆参議員、都議会、市区町村議会、単位支部長、青年部、女性部、首長と各種団体の代表からなる51名。
組織論や政策、広報や地方議員、友好団体との連携等、党のあり方を根本から見直す極めて重要な会議となり、ここで失敗すれば政権奪還どころか党存亡の危機となる。
市議・都議・衆議院・青年局長や副幹事長、そして落選。すべてを経験したからこそ皆の気持ちがわかると期待されての登用で責任重大だ。いつまでも後を振り返る訳にはいかないが今夏の選挙、そしてそれ以前の党が信頼を失った様々な要因を検証し総括の上、次につなげて行く。

 又、政策面では舛添前厚生労働大臣が立ち上げた舛添塾に本人からの誘いもあり参加した。もともとは新人落選候補と勉強会をスタートする予定だったそうだが、折角なので若手落選組の親しい人へも声をかけるようにしたそうだ。文部科学省と厚生労働省は共同で取り組まなくてはならない政策も数多くあった事から今までも薬害肝炎対策、新型インフルエンザ、新卒雇用対策等仕事を共にしてきた。実に頭の良い方で行動も早く頼れる政治家だ。今までになかった若い人達への面倒見が加われば党の総裁候補としても充分な資質を持つ事になる。「舛添新党か?」と報道の直後の「あんたがいれば余計な憶測なくなるから」とのお誘いは喜んでいいのか?

 他方、皇室の政治利用に対する批判が高まっている。国の大小や時の政治状況によって政府が皇室外交を利用する事はあってはならない。小沢幹事長は中国副主席と陛下の会見を国事行為と胸を張ったが憲法のどこを読んでもこれが国事行為とは書いてない。子分143人を連れて北京で胡錦涛に写真を撮ってもらったお礼にどうしても守らなくてはならなかったのだろう。
COP15でもやっぱり新しい枠組みはつくれないまま1兆円を超える多額の支援を我国はする事となり残念だ。沖縄問題の先送り、予算編成の難航、政府も民主党ももっと大切な事があるのでは…


hagiuda1 at 17:28|Permalink

2009年12月11日

■タイムリミット

 米国のシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)主催の日米ストラテジック・リーダーシップ・プログラムが開催され、日本側のメンバーとして出席の機会をいただいた。
元国防副長官を務めたジョン・ハムレ所長はじめ、ブッシュ政権下で対アジア安全保障を担当したアミテージ氏やマイケル・グリーン氏等、2006年に安倍幹事長代理(当時)とワシントンを訪問した以来のご縁で来日の度にお会いさせていただいている。
今回はオバマ政権の移行チームの共同議長も務めたジョン・ポデスタ米国進歩センター所長からもオバマ政権一年目の様々な評価が話され興味深いミーティングだった。
 
 米国にはこういったシンクタンクが数多く存在するが民主党・共和党を問わず、ホワイトハウスを追い出されたメンバーが外交や安全保障にはその蓄積した知識や人脈を惜しみなく発揮しライバル政権をサポートする点は大いに見習うべきところがある。
当日の内容はオフレコで詳細を報告できないのが残念だが、ポイントは日米関係がここ数十年で最悪の環境になっているというのが共通の認識だった。コペンハーゲンで開催中のCOP15の場でオバマ大統領が鳩山総理との会談を拒否したことでもこの認識は間違っていないだろう。
出席した日本側の民主党政府高官からも「沖縄の基地問題」「インド洋での給油活動の停止」など、政権交代を優先するばかり自縛にかかってしまっている苦しい胸の内が語られた。
 北沢防衛相は言い訳づくりにグアムまで訪問をしたが、台湾海峡や朝鮮半島の有事に対し沖縄の米軍海兵隊の存在は不可欠であり一日も早い県内移転を決断すべきだ。
又、インド洋での給油活動は年間50億で世界中が高い評価をしているのに、わざわざ停止してアフガニスタンに5000億の民生支援をする事に米側からは疑問の声が上がった。もしその活動を中国が引き継ぐとなったらどうするのかという質問も…
 
 昨日からは小沢幹事長が143名の国会議員を連れ北京を訪問中だが、この時期のこの大訪中団が米国やアジアの国々にどんなメッセージとして届くのだろうか?
 販売中の中央公論一月号でも述べたが、私達は外交や安全保障で鳩山内閣を倒すわけにはいかないがタイムリミットもある。危険ゾーンに入っている事に警鐘を鳴らしていかなくてはならない。


hagiuda1 at 17:25|Permalink

2009年12月04日

■鳩山総理逃げ切り

 驚く事にわずか4日の延長で国会は閉会してしまった。
年末の危機を回避する為の経済雇用対策、決着を付けなくてはならない沖縄基地問題、安全保障、外交等、誰が考えても国会が果たすべき喫緊の課題であり延長は必須だ。民主党は予算編成を理由にしているが、税と予算と国会を同時に進行するのが与党の通例で、年末は一年で一番忙しくて当たり前。野党時代、あんなに開催をこだわった党首討論も開かれず、鳩山家の11億円にも上る「子ども手当」、故人の名を使った偽装献金疑惑も闇の中、見事な逃げ切りだった。

 振り返って、国民が選択をした政権交代から所信表明まで56日。陛下御即位や外交日程が目白押しにも関わらず会期は36日。審議1日の強行採決連発で延長4日。テレビの前の国民は場外で展開される事業仕訳や八ッ場ダム問題等で視線をズラされ国会審議の本質を見失ってしまっていないだろうか?
あえて解説を加えれば、強行採決の中身も大きく違う。充分な審議時間や参考人質疑を終え、これ以上は反対の為の質疑延長と判断した時やむを得ず実施をしたのが自民党の採決。委員会の理事会ではあらかじめ採決のタイミングを伝えてきた。だからこそ野党が委員長席に詰め寄る見せ場が用意されていたのだが、審議時間を取らずに即採決はあまりに横暴だ。
 
 攻める自民党のだらしなさも否めない。
もちろん自民党が民主党の野党時代と同じ事をしてはならないし、インフルエンザ対策や外交、安保で与党を責めない姿勢は当然であり責任政党としての矜持を評価したい。しかし審議拒否から正常化へ戻る時に党首討論開催等の何ら条件をグリップしていないお粗末さ。
与党ボケの国会運営を改め、戦う野党と化してほしい。

 それにしても国会閉会を急ぐ最大の理由を小沢幹事長の訪中にある事をマスコミ記者さん達は皆知っているのにクローズアップされないのが悔しい。今騒げば騒いだ社は同行取材を拒否される事を恐れているからだ。もちろん日中関係は重要だ。しかし与党の幹事長が北京へ行くだけでも重たいのに小沢チルドレン140人、その支持者3名以上、総勢1000名近い大訪中団で胡錦涛に媚を売れば中国へも世界へも日本は間違ったメッセージを送る事になりはしないか?間違いなく外国人参政権実現の布石になる事を良識ある民主党議員も考えてほしい。


hagiuda1 at 17:51|Permalink