■はぎうだ光一の永田町見聞録

　新国立競技場で開催した「セイコーゴールデングランプリ陸上2020東京」に本来インターハイに出られるはずだったレベルの高校3年生が参加することができました。私が求めてきたもので、コロナによって中止となった全国大会の代替大会の一環です。日本陸連や東京陸協の皆様も趣旨に賛同いただき、前日の土曜日には中3、小6の関東近県の選手も招待しての「ライジングスター陸上」を開催する事ができました。陸上大会で初めて国立のトラックを走ったのはオリンピック選手ではなく中3女子でした。セキュリティ保持の為、来年のオリパラまでは利用の制限をかけている新国立ですが、今後は入場者の確認をしっかり行いながら特にアマチュアスポーツへの貸し出しを可能な限り行っていきたいと思います。
帰り際、群馬県から走り幅跳びで参加した中3の男子が「大臣に直接お礼を言いたい」と声をかけてくれました。「全国大会が中止になり絶望感から何もかも嫌になってしまったのですが、今日、こういう機会をつくっていただいて前向きに事にあたれるようになりました。高校受験も頑張って陸上を続けます！」と。様々な困難もありましたが実現して本当に良かったです。
同様に、来月には世界一となったスーパーコンピューター「富岳」を開放し、高校生・高専生のプログラミングコンテスト「富岳チャレンジ」も開催します。



　教育関連施設等の視察で八王子市を訪問しました。平日の昼間に八王子へ戻るのは大臣就任以来初めてです。当時の黒須市長と共に開設に取り組んだ不登校児の為の小中一貫校「高尾山学園」では始業式にも参加しました。
同校は何らかの心理的・情緒的・身体的あるいは社会的要因や背景等により登校したくてもできない児童、生徒のために体験型学校として小泉内閣当時の構造改革特区で認定を受けた国内初の学校です。開校17年目を迎え、多くの卒業生は高校へ進学し、教員になった者も複数います。一度は不登校になってしまった子供達が環境を変え、新たな目標を持って頑張ってくれている事が確認できました。


又、市内初となる「いずみの森義務教育学校」の新校舎も訪問しました。伝統ある八王子市立第六小学校と八王子市立第三中学校を一つの学校に統合し、9年間の一貫教育を行います。中学の専科の先生が小学生の授業を持ったり、小5から中学の部活に参加したりとソフト面でのメリットがあるなか、施設面では多様な使い方が可能なハイブリッド校舎で、令和の時代にふさわしい新しい学校です。写真は体育館ではなく25Mプールです。冬場、人工地盤でフラットになり運動広場としても使えます。


＜おまけの一言＞
　先ほど臨時閣議で安倍総理から辞意の表明がありました。持病の潰瘍性大腸炎が再発したとのことでした。先日、休み明けに二人で会った時には正直、つらそうで心配しましたが、この2週間はご一緒しても元気だったので快復に向かっていると信じていたのですが…。残念でなりません。残された任期、安倍内閣の閣僚として共に全力を尽くします。


※教育再生実行会議


※国政勉強会

　八王子車人形の西川古柳家元はじめ関係者の皆さんが大臣室にお見えになりました。平成8年に「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」の選択を受け、平成29年から八王子市が国庫補助事業として調査を続けてきた報告書が完成し、文化庁に納めました。類似の民族芸能にも全くひけをとらないしっかりとした報告書となりました。今後は「重要無形民俗文化財」への指定が期待されます。車人形には先日認定を受けた日本遺産（霊気満山 高尾山 〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜）ともあいまって八王子の歴史と文化を内外の皆さんに知っていただくエースの役割を担っていただきたいと思います。

　文科省で後援をしているダイアログ・イン・サイレンスの体験視察のため竹芝のダイアログ・ミュージアム「対話の森」を訪問しました。
　参加者は音を遮断するヘッドセットを装着し、聴覚障害者のアテンドで様々なテーマの部屋をめぐる体験型ミュージアムです。参加者同士は声を出さず身振り手振りでコミュニケーションをはかり、ゲームなどを行うもので、相手の視線や表情などで段々理解が深まる貴重な体験をしました。私達をアテンドしてくれた「まっちゃ」さんは生まれながらの聴覚障害をお持ちの方ですが、体験コースが終わる頃には言葉を超えた意思疎通が充分できる間柄になれました。意見交換時、私達は障害者への理解を深める良い機会などとついつい考えてしまうのですが、コーディネーターの皆さんからは、会話を控えるよう言われている学校給食の時間に簡単な手話や手振りでコミュニケーションを取れれば、想像力や表現力を養う事にもつながるのではないかとの提案がありました。8月23日（日）からスタートします（有料）。コロナ対応もあり人数をしぼった予約制ですので、ご希望の方はホームページ（https://taiwanomori.dialogue.or.jp/dis-ticket/）を参照下さい。







＜おまけの一言＞
　戦後75年となる終戦の日は例年通り靖国神社を参拝し、日本武道館で行われた全国戦没者追悼式に参列しました。先の大戦で尊い犠牲となられた先人の御霊に慎んで哀悼の意を捧げると共に恒久平和を守る不戦への誓いを新たにしました。

　新型コロナウイルスの影響で中止となった高校生のインターハイや全国文化祭などは何とか3年間の証と部活引退の節目をつくる事ができるよう、代替大会の開催をお願いしてきました。お蔭様で各団体、各都道府県でご努力をいただいており感謝申し上げます。野球も全国で代替大会が実施される一方、春の選抜大会に出場決定後中止となった32チームを甲子園へ招いての「2020年甲子園高校野球交流試合」が開催され、開会式に出席しました。各校1試合だけの大会ですが、一度は諦めた夢の舞台に立つ事ができた高校球児の目の輝きとはつらつとしたプレーは全国の高校3年生に勇気を与えてくれると信じます。生徒1人に対し5人までの家族関係者のみの観戦はいつものアルプススタンドとは異なり、ちょっぴり寂しいものでしたが、ブラバンの仲間が学校に集まってリモートで応援するなど各校工夫をこらして大会に臨む姿に胸が熱くなりました。8月23日には新国立競技場で高校生も参加して陸上の大会を行います。前日には関東近県の小6・中3の記録会も開催する事となり、引き続き児童・生徒のサポートを強化します。












　本年6月に史上初の4部門で世界一を獲得したスーパーコンピューター「富岳」を訪問しました。富岳は来年度に全面運用開始予定で、まだ６〜８割の稼働率とのことですが、先行して新型コロナの治療薬候補の探索や飛沫の飛散シミュレーション等を進めていただいており、その成果をお伺いしました。富岳は私たちの暮らしを守り便利な社会づくりをするための国民共有の財産であることから、一部の研究者のみならず、産業界、大学生や高校生など、誰もが活用しやすい環境を整えるよう指示すると共に、GIGAスクール構想とあいまって小・中学生にも門戸を開きたいと思います。また、次世代のスパコンや将来の量子コンピューター開発に向け、日本が引き続き競争力を維持していくためにも、人材育成や予算確保にしっかり取り組んでいきます。








＜おまけの一言＞
　明日は戦後75年の終戦記念日です。
尊い犠牲となられた先人の御霊に慎んで哀悼の誠を捧げると共に、揺るぎない不戦の誓い、平和な日本を次代に継ぐ決意です。

　我が国の天文学研究のヘッドクォーターでもある国立天文台三鷹本部を訪問しました。国立天文台の起源は江戸時代の幕府天文方にさかのぼり、現在は世界各地に観測網が構築されています。今回は、ハワイのすばる望遠鏡やチリのアルマ望遠鏡に搭載される世界最高性能のセンサーや電波受信機について、研究者やメーカーの技術者の力を結集して研究開発が進められている様子を拝見しました。たいへん理解が難しい分野なのですが、このような宇宙のかすかな光をとらえる最先端の技術開発が、がん治療やポスト５Gの高速通信など、私たちの命やくらしを守り、便利な社会づくりに応用されていきます。


　ところで、今からおよそ２００年前（１８１７年）に八王子に国内最大級と言われた隕石が落下した事をご存知でしょうか？街は大騒ぎとなり、その隕石は当時の幕府天文方、戦後には前身の東京天文台に持ち込まれたようです。「八王子隕石」の記録は様々な文献に残っており、大・小市内何カ所にも落下したそうですが、残念なことに現在は実物がほとんど残っていません（０．１グラムのかけら１個が国立科学博物館に非公開で保管）。近年、はやぶさの技術で分析し、諸説検討されていますが、大横町のプラネタリウムなどで、八王子の皆さんの目に触れる機会をつくっていきたいと思います。
（八王子隕石に関する八王子市のHP　https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/003/002/p020656.html）

　国士舘大学が新たに町田市に開設する「楓の杜キャンパス」を2つの目的で視察しました。1つは学校法人間の土地の譲渡の課題です。当該地は別の法人がサブキャンパスとして利用していた施設が不要となり、譲渡されたものですが、少子化により私立の学校が縮小したり、あるいは廃校になったりするケースは全国でも増加しております。今回のような学校法人間で再利用していただければ何ら問題はないのですが、都市部ではマンション等の住宅に変容したり、地方部の市街化調整区域に特例的に開発を許可された学校が民間企業等に売却されたりするなど、地元自治体が予想もしていなかった方法で利用されるケースも否定できません。かつて私も関わってつくったルールでは私学が資産売却する場合、大学は文科省へ、小中高等は都道府県の担当へあらかじめの届出を義務付けをしておりますが、今後トラブルを回避する為の更なるルールづくりを担当局へ指示しました。もう一つはこのキャンパスの開設を機に障害者スポーツの振興に大学として本格的に取り組む構想を伺いました。来年のパラリンピックの開催を機に、スポーツ人材教育関連の大学に積極的にカリキュラムを増やしていただく、さきがけを期待します。







＜おまけの一言＞
　石森八王子市長と大野観光コンベンション協会会長が日本遺産認定に伴い推進協議会を発足した報告に文化庁を訪問いただき、大臣室に寄ってくれました。東京初の日本遺産は全国からも注目をされており、高尾山を中心とした観光資源、織物の街としての歴史、伝統文化をつなぎ合わせどのような回遊をしてもらうか、磨き上げが必要です。自助努力と共に専門家の紹介など国としてできる応援を続けていきます。




※広島大学長ら面会


※オンライン講演会