■はぎうだ光一の永田町見聞録

　文科省政務三役の新体制が決まりました。副大臣には私と同様、市議、県議の経験があり、現場をよく知る高橋ひなこさん、文科大臣政務官も経験し、教育政策に明るい田野瀬太道さん、政務官には公明党の文教政策に中心で取り組んできた鰐淵洋子さん、弁護士で著作権法にも詳しくサブカルチャーに精通した自称オタクの三谷英弘さんが就任されました。それぞれの得意分野を活かし、これから5人で力を合わせて頑張ってまいります。


　4人の記者会見が深夜に行われた事、又多くの職員が出迎えた事が一部マスコミに取り上げられました。働き方改革を進める上で悪しき慣習は見直す必要があると思いますので来年からは翌日対応としました。ただ、事情を聞いてみると残っていた管理職は就任記者会見のレクチャーを対応する面々がほとんどで、又4連休中の在京当番や公務など副大臣・政務官との打合せがある職員だったとの事です。前々日の大臣記者会見は深夜に及ぶという同様の理由で記者会と合意の上で先送りしたのに今回は上手に意思疎通ができなかったのはちょっと残念です。

　菅内閣の目指す省庁デジタル化に文科省としてもスピード感を持って取り組む為、私を本部長とする「文科省デジタル化推進本部」を設置し、第1回会合が行われました。今後、教育と科学技術の両ワーキンググループに分かれて省内のデジタル化を進めてまいります。一方、どんなにデジタルで整備ができても対面や協同で行う学校教育の必要性もあります。オンラインが進めば学校の先生は減らしても大丈夫などという現場を知らない乱暴な意見にはしっかりと対峙していかなくてはなりません。なかんずく義務教育期間はデジタルと対面の両方の良い点を上手に使ってまいります。


＜おまけの一言＞
　久しぶりに地元、都議・市議・総支部代表の皆さんに集まっていただき大臣再任の報告をしました。皆さん改めて留守をしっかり守ると声をかけあっていただきました。




※IOC調整委員会オープニング会議


※教育再生実行会議


※デジタル改革関係閣僚会議


※地元の行事

　16日朝、臨時閣議で内閣総辞職が決定されました。それは7年8ヶ月という史上最長を記録した安倍内閣が最後の時を迎えた瞬間でした。総理からは閣議後、静かに全閣僚にお礼とお別れのご挨拶がありました。総理ご自身も充実感と無念が交差する思いだったと思います。この間、党総裁特別補佐、党筆頭副幹事長、内閣官房副長官、党幹事長代行、文部科学大臣と常に近くで、時には離れても意を体して、総理を支え、総理と共に歩んできた7年8ヶ月でした。胸にこみあげるものがありましたが「お疲れ様でした。ありがとうございます。」と一言だけお礼を申し上げました。


　続く衆議院本会議では菅義偉前官房長官が第99代内閣総理大臣に選出され、直ちに組閣が行われました。私は文部科学大臣として再任をしていただき、引き続き教育改革をはじめ文科行政の責任者として働かせていただく事となりました。就任にあたり菅総理からは11項目の指示書を受け取りましたが、一言だけ「文科大臣には…任せるよ」と言われました。ずっと仕事をしてきた間柄ですから多くを言わずとも解っているだろうなという凄みを感じました。初閣議、就任記者会見を終えて文科省へ戻ったのは日付が変わってからになりましたが、幹部職員が拍手で迎えてくれました。気持ちも新たに皆さんと頑張る決意です。



　大きな仕事の一つが来年に延期された2020TOKYOオリンピック・パラリンピック大会の開催、成功です。同じく再任された橋本五輪大臣と共に早速、組織委員会を訪問し森会長と打合せをしました。IOCのバッハ会長始め各国の関係者は、両大臣の再任と室伏氏のスポーツ庁長官内定は、菅内閣が五輪開催実現にゆるぎない意志を持っているというメッセージと受け取っているとの事でした。知恵を集め、感染防止に努めながら五輪開催実現に全力で臨みます。


＜おまけの一言＞
　皆さんからたくさんのお祝いのメッセージをいただきありがとうございます。メディアで最後まで「官房長官候補」と報道が続いた事もあり「残念でした」のメッセージも多いのですが（笑）私としては一番やりたい仕事です。更にバージョンアップして頑張ります。




※教育再生実行会議

　本日、菅内閣が発足し文部科学大臣を拝命いたしました。先程宮中へ参内し、認証式に臨ませていただきました。安倍内閣から続く再任ではありますが新たな気持ちで臨みます。

　文科行政においては現在も続く新型コロナウイルス感染症に対して抗ウイルス剤やワクチンの開発にも取り組んでおりますし、何より子供達の学びの保障に全力を上げている真っ最中です。延期となったオリンピック・パラリンピックの開催はじめ、大学入試改革、教員の働き方改革など拡大など課題は山積しております。
又、ウィズコロナ、アフターコロナを見据え新しい生活様式の中での学校のあり方や、スポーツや文化事業の再開、科学技能人材の切れ目ない育成策など新たな挑戦も始まります。

　「人づくりこそ国づくり」日本の礎とも言える文科行政の責任者として引き続き結果を出すモットーに先頭で頑張る決意ですので一層のご指導とご支援をお願い申しあげます。

令和2年9月16日
文部科学大臣　萩生田光一

　9日から10日にかけて、文部科学省に関連する施設等の視察に京都を訪問しました。
　まず、文化庁本格移転先となる旧京都府警本部本館の改装工事の現場を西脇京都府知事、門川京都市長とともに視察しました。令和4年度中の業務開始を目指し準備を進めていきます。建設現場から鎌倉や戦国時代の埋蔵文化財が見つかったという話を伺った際には、さすが京都だなぁと歴史を感じました。伝統を感じさせる荘厳な建物や内装が完成した暁には、映画やドラマの撮影などにもどんどん活用してもらいたいです。国府県市、そして民間からの皆さんも加わって約50人で先行的に業務を行っている文化庁地域文化創生本部にも訪問しました。


　その後、京都大学を訪問し、次期総長に就任予定の湊理事から積極的に進められている大学改革の状況をお伺いしました。さらに、学生のユニークなアイデアをビジネス化する起業家教育や大学発ベンチャーの活動の様子を視察しました。
iPS細胞研究所では山中所長から最新の研究の状況を伺いました。新しく設立された財団では徹底した管理で移植用細胞が培養されており、様々な病気の治療に向けてストックされています。将来は自分の細胞を治療に使えるようにするための研究が進められています。日本の宝ともいうべきiPS研究を引き続き全力で支援していきます。









　その後、いけばな発祥の地であり、日本遺産の構成文化財の一つでもある六角堂と、そこに隣接する池坊会館を訪問しました。
池坊会館では、感染症対策を講じた上でいけばな教室が開かれている様子や資料館を拝見させて頂きました。
池坊の皆様には、「華道家元」として、来年予定されている東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、今後も様々な機会を捉えて、日本の伝統文化である「いけばな」をぜひ積極的に発信して頂きたいと思います。


　二日目、京都先端科学大学では、コロナ禍でも感染対策をとりつつ、最新の設備の中で、対面授業の実施にできる限り取り組んでいる様子を視察しました。
この大学は、日本電産会長の永守理事長が私財をなげうって陣頭指揮をとって運営している大学です。経営者の視点から、学生たちを厳しくも立派な社会人へと育てる実践的な教育をされています。文科省の大学行政への厳しい叱咤激励もいただきました。
永守理事長の底知れぬパワーに終始圧倒され気味でもありましたが(笑)、新しい構想も次々ある様子で、活力あふれる大学の取り組みを大変頼もしく感じました。ここで学ぶ学生さんたちの未来の活躍が期待されます。


　教育再生実行会議ではコロナ後の安心な学校施設・環境のあり方についてワーキンググループでの集中審議を経て、義務教育での少人数学級について方針を取りまとめ、総理にも手交しました。
第一次政権から取り組んだ教育改革では、幼児教育・保育の無償化や高等教育の奨学金制度の充実など数々の実績を残す事ができましたが、まだまだ課題は数多くあり、是非、次期政権でも同様の会議体を続けてほしいと願います。先日の閣僚間の申し合わせで「安倍内閣は最後の一分一秒まで、全力で仕事に臨む」ことを合意しましたが、残り数日で大きな方向性を決定する事ができ感無量です。今後は関係省庁とも連携し制度設計に入ります。

＜おまけの一言＞
　来週の水曜日で大臣は辞任となります。その後の事は新しい総理が決定するので全く解かりません。残り5日ですが最後まで全力で頑張ります。


※Ｇ２０教育大臣会合

　ギリシャで採火したオリンピック聖火は、3月の宮城県でのお披露目以降、コロナによって出番なく静かに保管されていました。開催まで1年を切った今月から日本オリンピックミュージアムで展示するにあたり、セレモニーが行われ、「人類の英知と勇気で、この「希望の炎」を何としても来年の7月23日、目の前の新国立競技場で点火をしよう」と挨拶しました。

　あの聖火はどこに行ったんだ？と関係者の間では話題となっていたのですが、実はこの日まで極秘に八王子市内の某所で保管をしておりました。「私の地元、八王子で絶やす事無く守った希望の炎を自分の誕生日に世に出すなんて何と縁起の良いイベントなんだ」と先週までは思っていたのですが、直前の総理辞任により組織委員会の森会長からは「最後の公式行事にならないように」と言われてしまいました。幸い元気な57歳。多難な一年となるでしょうが頑張ります。


　ニコラス・トロッタ　アルゼンチン教育大臣とテレビ会談を行いました。同国では感染者が38万人に達し、未だ厳しい環境にあり、一部の州を除けば学校は6ヶ月以上も休校が続いているそうです。我国同様、学びの保障に懸命に取り組んでいるとの事でした。私からは日本の取り組みを紹介。消毒、マスク、手洗いなど徹底した衛生管理のマニュアル化、生徒間の一定距離を保つ為に1クラスを2つの教室に分けること、学年ごとに登校日を設けた分散授業について説明をしました。オンラインの有効性は認めながらも対面授業や集団での活動、授業以外の各種行事の大切さについても議題となりました。

　安倍総理の辞任表明を受け、自民党総裁選には菅官房長官、岸田政調会長、石破元幹事長の3名が名乗りを上げました。いずれも共に仕事をさせていただき、親しく、ご指導をいただいている先輩ですが、ここは安倍政治の継続性を尊重し、菅長官を支持をする事に決めました。党都連では全党員対象の予備選挙を行い皆さんの意思をくみ上げます。まもなく投票用紙が届きますので「菅義偉」へのご支援をお願い申し上げます。

＜おまけの一言＞
　9/6（日）7:30〜8:55フジテレビ日曜報道 THE PRIMEに生出演します。テーマは「ウィズ・コロナ時代の大学教育の課題」等です。


※日本ユネスコ国内委員会


※学校における働き方改革推進本部