■はぎうだ光一の永田町見聞録

　1日7時間の予算委員会が続く一週間でした。詳しい質問通告と事前の役所からの問い合わせに対応していただける方もいれば、「○○について」という大まかな記載だけで、問い合わせも不可という方もいます。その場合はあらゆる想定をしなくてはなりません。職員は徹夜で準備しますし、私も暗いうちから登庁して打合せを行いますが、中々良い議論にならない場合もあります。もちろん政府は所管事項全てを承知していなければなりませんが、正確な年号や数値まで直ぐに答えられない事もあります。
厳しいご指摘は真摯に受け止めますが、特にテレビ中継がある時などは正確なやりとりを国民の皆様に観ていただいた方が国会にとってもプラスと思うのですが…
職員の働き方も与野党を超えて考えていかなくてはと感じます。経産省は守備範囲が広いですが、どこに球が飛んできてもしっかり受けられるよう引き続き頑張ります。

　21日（金）の夜に、WTO非公式閣僚会合に出席しました。28カ国・地域の貿易担当閣僚とWTO事務局が参加するもので、林外務大臣、武部農林水産副大臣とともに、テレビ会議で出席しました。今回の会合では、新型コロナ対応や漁業補助金、農業、WTO改革を中心に議論が行われました。日本としては、自由貿易の重要性や、国家間の対立が深まることに伴い紛争解決がさらに大事になってくる中、私からはWTO改革について、デジタル保護主義や気候変動といった現代的な課題に対処するための交渉機能の強化、紛争解決制度の機能不全を解消するための議論開始、監視機能を強化するための通報・透明性提案の促進について、発言をいたしました。
WTOは、自由で公正な経済秩序の構築に向けた基盤を成すものであり、今月インドネシア、シンガポール、タイを訪問した際にも、私自身が関係閣僚とその重要性について議論を行いました。自由貿易の旗手として我が国がリーダーシップを発揮できるよう、先頭に立って各国と議論を続けてまいります。


＜おまけの一言＞
　久しぶりの日曜報道THE　PRIMEに出演します。経産相としては初めてです。テーマはエネルギー対策などです。
1/30（日）7:30〜8:55　フジテレビ
日曜報道THE　PRIME


※地元小学校の国会見学


※自民党八王子総支部女性部　役員会

　天皇陛下のご臨席を仰ぎ第208回国会の開会式が行われました。会期は150日間、今年は参議院選挙が行われることから延長はできないと思って臨まなくてはなりません。関連予算・法案をしっかり成立させてまいります。
岸田総理の所信表明演説を受け早速、衆・参本会議で代表質疑が行われました。来週からはいよいよ予算委員会が始まります。

　党都連政経塾の合宿は、コロナ感染拡大を受けオンラインでの開催となりました。例年は熱海で一泊二日の大イベントなのですがやむを得ません。私が都連会長になった事への激励を込め、何より「温泉なら…」と講師を引き受けていただいた菅前総理からは、コロナ禍と戦った一年間の政権を振り返り、改めて様々な取り組みをお話しいただきました。


　官邸で行われた「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会に出席し、司会をしました。有識者の皆様から戦略に向けたご意見を伺うとともに、岸田総理から、各省と協力して経産大臣の私が戦略をとりまとめて「新しい資本主義実現会議」へ報告するよう、指示がありました。
　戦略の検討にあたっては、再エネ、水素等のエネルギー供給側の構造変革だけでなく、あらゆる産業構造や、国民の暮らし、地域のあり方全般など、エネルギーを使う需要側も含めた改革が必要であり、幅広い論点に方向性を見いださなければなりません。我が国の社会構造そのものを大きく変革する重要なものであり、困難も伴う仕事ですが、有識者のご意見も伺いながら、私自身が各省を束ねて集中的に議論し、我が国の新たな成長戦略につなげてまいります。

出典：首相官邸ホームページ

　第2回未来人材会議を開催しました。デジタル化、グリーン化など、新たな産業構造の変化に伴って旧来の日本型雇用慣行を見直す動きが広がり、また、やりがいを重視したり副業を希望したりというように、働く側の意識も変わってきています。こうした中、日本の人材育成の良いところは残しつつも、急速に変化する産業やテクノロジーに合わせて、学び直しやスキルを重視し、多様な人材の活躍を実現する「人を大切にする経営」への転換を図っていく。そのためにこれからの新たな３０年を見据えた柔軟な教育システム、雇用システムへと移行していくことが不可欠です。
　今までバラバラに議論されてきた教育と企業の人材育成について、私が「横っ飛び」で産業界のニーズを教育界にもしっかりとつなぎ、未来の産業や社会のあり方を示すべく、しっかりと議論を進めてまいります。


＜おまけの一言＞
　選挙事務所のだるまを各地のどんど焼きでおたき上げしていただきました。普通の家庭とは異なるサイズのだるまを子供達は喜んでくれたそうです。コロナ禍で中々新年のイベントが開催できず残念です。東京もまん延防止等重点措置が始まりましたが、注意しながら頑張りましょう。


※経済産業省幹部会

　今週は、私の経済産業大臣としての初の外遊として、インドネシア、シンガポール、タイの３カ国を訪問しました。経産大臣によるASEAN地域への出張は約２年ぶり、タイでの二国間の閣僚会談は何と５年ぶりであり、各国の首相や閣僚から大きな歓迎を受けました。
　今回の訪問では、我が国とASEAN各国とが、社会課題解決などニーズ主導で成長の基盤作りを共創していく「アジア未来投資イニシアティブ」を、私からASEAN各国に向けて、提案・発表しました。このイニシアティブを各国の主要閣僚に直接提案するとともに、グリーン・デジタル分野を中心に新たな産業の創出について議論を行いました。

　インドネシアでは、ルフット海洋・投資担当調整大臣等５名の閣僚と相次いで会談を行い、このイニシアティブを具体化していこうとのことで一致し、官民対話を設置することとしました。また、我が国では１、２月の電力需給が逼迫する中、足下の電力安定供給に万全を期すために、インドネシアで年末からの石炭の輸出が禁止されていることについて、関係閣僚に膝詰めで輸出再開を直談判し、その結果、３７隻の石炭の輸送船の出航許可が決まるなど、交渉の結果、早速、石炭の段階的輸出緩和の動きにつながりました。


　シンガポールではガン貿易産業大臣と、タイではスパッタナポン副首相兼エネルギー大臣と会談し、このイニシアティブを進めていくための共同声明を発出しました。タイのプラユット首相からタイ訪問について歓迎され、こうした日本の考えを是非ともAPECでも貢献して欲しいと、今年タイで開催されるAPECへの出席を強く要請されました。
　また、アジアのエネルギートランジションについても、アジアの各国と議論を行いました。脱炭素化という目指すべき頂点は共通ですが、登り方には違いがあり、特に様々な国のかたちを持つアジアでは、各国の事情を踏まえた現実的なエネルギートランジションを進めることが重要です。こうした考えを、今回の出張の中で各国とも共有し、それぞれの国で強い共感と、賛同を得ました。その結果、エネルギートランジションに関して日本とアジアで協力を進めていくことについて、それぞれの国の事情を踏まえた３つのMOUに署名することができました。タイでは、プラユット首相立ち会いのもと、エネルギートランジション実現に関する協力覚書にも署名しました。アジア各国のトランジションを加速しながら、我が国も共にアジア全体でカーボンニュートラルに向けた取組を進めていきます。



　今回の出張では、サプライチェーンのつながりをはじめとして、ASEAN諸国との深い絆を改めて確認することができました。アジア各国は、スタートアップなども国内だけでなく国外へも展開するなど、世界の成長を取り込みながら拡大しており、アジアのダイナミズムを直接肌で感じました。今回の出張の成果を踏まえ、我が国もアジア各国と共に成長すべく、経済産業大臣として全力で取り組んでまいります。
今回受け入れていただいた３カ国の皆様には、深く感謝申し上げます。


＜おまけの一言＞
　連日のPCR検査、限られたメンバーでのバブル移動でしたが、やはり外交はオンラインでは全てを代替できず対面の必要性を改めて感じました。いくつもの大きな成果をあげる事ができたと思います。


※八王子警察署　武道始式

　経済産業行政は、エネルギーや中小企業政策など多岐にわたりますが、大阪・関西万博の開催を強力に推し進めるため、大阪を令和４年の仕事始めの場所としました。関西経済連合会、大阪商工会議所、関西経済同友会の皆様と意見交換を行い、賃上げや下請企業との取引適正化、大企業と中小企業の共存共栄関係の構築を目指す「パートナーシップ構築宣言」などへの協力をお願いするとともに、現場の生のご意見をいただきました。


　また、吉村知事や松井市長とも会談し、大阪・関西万博の現状等について意見交換し、更に密接に連携して取組を進めることで一致したほか、３年後の万博会場となる夢洲の準備の進捗も確認しました。私からは万博会場の飲食施設はレストランだけではなく、お好み焼きやたこ焼き、かすうどん、串揚げなど関西のうまいものをストリートに集めようと提案しました。松井市長も「食い倒れの街大阪」として是非やろうと賛同し、早速事務局へ指示しました。大阪・関西万博は、コロナ禍を乗り越えた先の、新たな社会に向けた国家プロジェクトです。大阪・関西地域だけでなく、日本全国での機運醸成を図り、我が国の最新技術を世界に示すものとすべく、全力で準備を進めてまいります。



　堺市にある、関西電力堺港発電所にもお伺いしました。この冬の厳しい電力需給を支えていく上で、火力発電は重要な役割を担っています。電力の安定供給の確保に資するドローンを用いた点検や、ロボットやセンサーを活用した保安業務の高度化など、いわゆる「スマート保安」の取組を視察させていただきました。こうした先進技術を活用した保安力強化の取組も参考にさせていただきながら、政策の検討を進めてまいります。一日遅れとなった役所での仕事始めでは幹部職員を前に訓示を行いました。前例に縛られず果敢に挑戦する一年にしようと呼びかけました。


＜おまけの一言＞
　前日まで「うっすら積もる」との予報だった東京の初雪は都心で10cmに達し、23区では「大雪警報」が発せられる事態になりました。いつもでしたら「八王子」がクローズアップされるのですが、今回は珍しく三多摩の方が降雪が少なかったようです。


※グランホルム米国エネルギー長官とのTV会談

　皆様お揃いで輝かしい新年をお迎えの事とお慶び申し上げます。さて、昨秋行われた総選挙では皆様のご支援により6期目の当選を果たす事ができました。その後、発足した第2次岸田内閣では引き続き経済産業大臣を拝命し、コロナ禍で傷ついた日本経済の再生に向け、挑戦を続けてまいります。早速、令和3年度の補正予算を成立させ、新年度に向け予算・税制・政策を総動員すべく日々準備を進めております。特に地方、中小企業、小規模事業者にきめの細かい支援策で日本の元気を取り戻す決意です。

　又、昨年末に自民党東京都支部連合会の会長に就任しました。三多摩では故石川要三先生以来、二人目となります。首都東京自民党のリーダーとして全都の皆さんと協力して、より魅力ある東京を創ってまいります。

　今まで以上に地元に戻れない立場となりましたが、八王子の皆様の思いを胸に精一杯頑張ってまいりますので、今年一年も一層のご指導をお願い申し上げます。
　未だ完全終息の見えないコロナ禍ですが、少しずつかつての日常を取り戻し、今年こそ笑顔あふれる年でありますようご祈念申し上げます。

令和4年元旦
経済産業大臣
　衆議院議員　萩生田　光一